パラリーガルなら知っておきたい「被告」と「被告人」の違い

study

 

前回は、
パラリーガルなら知っておきたい「被疑者」「被告人」「容疑者」の違い
という記事で、「被疑者」「被告人」「容疑者」の意味と違い
について一緒に確認していきました。

 

ただでさえ紛らわしいこれらの言葉ですが、
実は、この三者のほかにもうひとつ「被告」という
似たような言葉があるのをご存知でしょうか?

 

「被告」と「被告人」の違い

今回は、「被告」と「被告人」の違いについて見て参りましょう!

 

 

|被告人は刑事!被告は民事!

被告人」は、前回確認した通り、
刑事事件において検察官により公訴を提起された者をいいます。

 

これに対して「被告」は、
民事事件において、訴えの相手方とされた者をいいます。

 

なので、たとえば、
「甲は乙を被告人として、所有権に基づく建物収去・土地明渡請求をした。」
「甲は乙を被告人として、A裁判所に対し、所有権確認の訴えを提起した。」
「甲は殺人罪の被告として訴えられた。」
などとという言い方は間違えていることになります。

 

書面でこのような記載になっていた場合は、
「甲は乙を被告として、所有権に基づく建物収去・土地明渡請求をした。」
「甲は乙を被告として、A裁判所に対し、所有権確認の訴えを提起した。」
「甲は殺人罪の被告人として訴えられた。」

と修正する必要があります。

 

 

 

|「反訴原告」と「反訴被告」というものも!

民事裁判では、被告が、訴訟の係属中(口頭弁論終結前)に、
原告を相手方として、あらたに訴えを提起(併合提起)することがあります。

 

たとえば、
A裁判所において、
甲が乙に対して「借りたお金は存在しないことの確認の訴え」を提起した場合に、
乙が甲に対して「貸したお金100万円を返すよう請求する訴え」を提起する場合などです。

 

同一の裁判手続き内で、関連した紛争を一挙に解決するために利用されます。

 

この場合、最初に提起された訴訟を「本訴
反対に提起された訴訟を「反訴」といい、
本訴において「原告」だった者は、反訴では「反訴被告」となり、
本訴において「被告」だった者は、反訴では「反訴原告」となります。

 

 

どうでしたか?

これで「被告」「被告人」「反訴原告」「反訴被告」「被疑者」「容疑者」
というまぎらわしい言葉の意味はご理解いただけたことと思います^^

 

ほかにも紛らわしい法律用語について、
初級のエレメンタリー・パラリーガル資格講座
においてしっかりと説明させていただいております。

是非一緒にスマートなパラリーガルを目指しましょう!

 

 

===================================================

 


The following two tabs change content below.
パラリ部

AG法律アカデミー

2010年よりパラリーガル資格やパラリーガル実務に関することの他,法律事務所への就職情報などを配信しているパラリーガル(法律事務)専門のWebメディア。 パラリーガル育成の専門スクールが,信頼性と質の高い情報をお届けします。