「結論から述べる」ことを求めすぎない【聴くのも大事】

 

最近の若い方は、本当に素直で真面目です。

 

懸命に下調べをし、就職活動のルールやマナーも
しっかりと身につけるよう努力しています。

 

ただ、最近は、多数の就活情報誌の情報や
就活エージェントのアドバイスを素直に聞き入れるあまり、
形式を守ることに精一杯で雁字搦めになり、
自分の頭で考えて臨機応変に対応できなくなるケースも
増えているような印象を受けます。

 

たとえば、実際の面接時に、
ビジネスマナーはしっかりしているし、
よくある質問の受答えもバッチリなのに、
少しでも予想外の質問のされ方をされた途端に
どうしていいかわからずフリーズしてしまうことも。

 

特に、近年ビジネスの場や面接時に言われる
結論を先に」という言葉に固執するあまり、
結論から言う必要の無い場所でまで無理に結論を言おうとして
失敗してしまうケースが後を絶ちません。

 

そこで、今回は「結論から先に」理論について、
あらためて考えてみることにしましょう。

 

 

 

|ビジネスの世界では「結論から」が当たりまえ?

 

ビジネスの場では、よく「結論からさきに言え。」等と言われ、
結論を簡潔に述べた後に詳細の説明を求められます。

 

特に会議等では、議案に合致した意見しか求められず、
少しでもそれた会話をしようものなら
「君の話し方はまわりくどい。」等と叱責されることも。

 

このような「結論から簡潔に」という話法は、
課題追求型」の話法といわれ、
ビジネスシーンでは当たり前に要求されます。

 

また、ビジネスの入り口である
就職活動の面接時にも課題追求型の話法が基本とされています。

 

※参考:【受け答えは1解答20秒!】パラリーガル(法律事務)面接の基本

 

 

 

|「課題追求型」は相手方の話す意欲を削ぐ

 

「課題追求型」がビジネス会話の「基本」だとしても、
それはあくまで「基本」にすぎないのであって、
「万能」という訳ではありません。

 

場合によっては逆にコミュニケーションを阻害してしまうことも。

 

「課題追求型」の会話は「まず結論」ですから、
その結論に至るまでの過程は捨象されてしまいます。

 

話し手の頭の中には本来、
「Aかもしれないし、Bかもしれないし、Cとも考えられるし」
といった「悩み」のプロセスがあるはずですが、
課題追求型の話法だとそのプロセスは一切出てきません。

 

すると、0か100か、白か黒かというような、
極端な話しかできないことになってしまいます。

 

何かを話そうとするたびに、
「で、君は何が言いたいの?」「結論は?」
ばかり言われると、思っていることを
だんだん言えなくなってしまいますよね。

 

このように、人の話を遮り、
何が何でも「課題追求型」の話法を相手に求めるのは、
むしろ本人の「聞く姿勢」に問題があるといえます。

 

「ビジネス=課題追求型話法」と頑なにこだわってしまうと、
相手に対しても無意識的に「結論」を求めてしまうのが難点です。

 

課題追求型の話法はあくまで「自分が述べる場合に意識する
ものであって「相手が話す場合に求める」ものではないということを
心に留めておきましょう。

 

 

 

|ホウレンソウにも支障が出る

 

例えばあなたに後輩ができた際に、話すたびに、
「結論をまず言いなさい!」と叱責していると、
その後輩は「結論が出るまでは話しちゃいけないんだ。」
と思うようになります。

 

そうなると困るのは「ホウレンソウ」です。

 

※参考:ビジネスマナーの基本【ホウレンソウの意味・注意すべきこと】

 

「わからないことがあるけど、また叱られるから。」
と、一切相談することなく勝手に仕事を進めてしまい、
取り返しのつかない「結果」が出てから報告するという
事態に至ることも考えられます。

 

 

 

|相手方の話を「聴く」姿勢も大切

 

例えビジネスシーンであっても、
「課題追求型」話法を相手に過度に強要してはいけません

 

思考のプロセスを口にしているうちに、
いつのまにか結論が出るというような場合も少なくありません。

 

特に、部下や後輩から何かを訊き出そうとするときは、
相手を理解しようとする聴き方」が重要です。

 

状況把握のための事実関係を追求するのみならず、
相手の気持ちに寄り添って理解を示す聴き方をすることで、
後輩や部下も「この人は自分を理解してくれているんだ。」と感じ、
より「報・連・相」を行いやすい基盤が整います。

 

 

 

|「聴く」ために必要なこと

 

聴くために必要なことは
自分の要求は横に置く」「共感を示す
これだけです。

 

相手を理解するためには、自分の要求はとりあえず横に置いて、
相手の伝えたいことをプロセスも含め、まず受けとめます

 

そして、相手の意見にうなずき、相槌をうち、
「あなたのことを理解しようとしている」と共感のサインを送ります。

 

「聴く」ことは、
「自分の知りたいことを引き出す」ことではなく、
「相手の話したいことを理解する」こと、
このことを忘れないでいてください。

 

 

 

これまで見てきたように、「結論から先に」という話法は、
あくまで自分が回答を求められた時に意識すれば足りるものです。

 

また、「結論が出ない。」というのもひとつの結論です。

 

場合によっては思考のプロセスを伝え、
相談することのほうが重要なこともあります。

 

「結論から先に述べる」ことと「まずは共感を示す」ことを
臨機応変に使い分けて、より円滑なコミュニケーションを
はかることのできる人を目指しましょう。

 

 

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