パラリーガルへの転職を成功させるポイントとおすすめの転職サイトも解説
特別な資格が不要ながら法律や事務の知識を活かして働ける「パラリーガル」は、近年認知度、転職希望が高まっている職種のひとつです。優秀なパラリーガルの需要は高く、将来性にも期待できるため、法律分野に興味のある方にはおすすめの職種といえます。
パラリーガルへの転職を考えている人は、パラリーガルの魅力や大変なところ、求められるスキルや経験などを知っておきましょう。
このコラムではすでにパラリーガルとして活躍している人はもちろん、未経験からパラリーガルに転職したい人も含め、パラリーガルの転職に役立つ情報を提供します。
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そもそもパラリーガルとは|業務内容や働き方
最初に、パラリーガルとはどんな職業なのかを解説します。
アメリカで生まれた職業
パラリーガルという職業の発祥の地はアメリカです。訴訟社会のアメリカではパラリーガルは弁護士と対等に仕事をする存在であり、社会的地位も高い職業です。大学や専門学校などパラリーガルを養成する施設が多くあり、専門的な教育を受けた人が就く公的な職業として認知されています。
日本におけるパラリーガルの存在
日本におけるパラリーガルは、法律事務所で働く「弁護士の補助者」という位置づけです。アメリカのように公的な職業として確立されていないうえにアシスタント的な立場としての側面が大きく、社会的な認知度もそれほど高くありません。
しかし弁護士が本来業務に集中するためには、法律の知識があり事務手続きをサポートしてくれるパラリーガルの存在が不可欠です。優秀なパラリーガルは弁護士の右腕となり頼りにされながら活躍しています。近年では少しずつではありますが、専門性の高い事務職として注目を集めるようになってきました。
パラリーガルの業務内容
パラリーガルの業務内容は次のようなものがあります。
- ・判例や法令の検索・調査、文献などの資料探し
- ・訴状や契約書、その他裁判所へ提出する書類の作成
- ・契約書の翻訳
- ・クライアントへのヒアリング
- ・弁護士とクライアントの打ち合わせの日程調整 など
また、パラリーガルと弁護士秘書・事務職を明確に区別していないケースでは、弁護士のスケジュール管理や来客対応など秘書や事務員としての業務も発生します。
パラリーガルの働き方
パラリーガルを名乗るためには基本的に法律事務所で働く必要があります。法律の知識を活かして働くという意味では企業の法務部でも活躍できますが、その場合は法務部員であってパラリーガルとは呼ばないのが一般的です。
ただ、日本でもパラリーガルの定義が少しずつ変化しており、企業の法務部で弁護士のサポートをする人をパラリーガルと呼ぶケースも出てきました。
雇用形態は正社員・派遣社員・アルバイトなどさまざまな働き方があります。フルタイムでバリバリ働くなら正社員、家庭の事情や司法試験の勉強等を考慮しながら自分のペースで働くために派遣やアルバイトを選ぶ方もいます。
【関連記事】パラリーガルとは?元弁護士が専門家視点でパラリーガルの仕事内容・給料・将来性を徹底解説
パラリーガルの需要や転職によるキャリアパス
パラリーガルの現在の需要や将来性、キャリアパスについて見ていきましょう。
パラリーガルが必要とされている理由
司法制度改革によって弁護士人口が増加し、法律事務所に就職できずに司法修習が終わった後に独立する弁護士が増えました。そのような若手の弁護士にとって手続きの実務がわかるパラリーガルは頼りになる存在です。
また広告の解禁や報酬規定制度の廃止などにより弁護士市場の競争が激化したことで、法律事務所はこれまでよりリーズナブルな価格で質の高いリーガルサービスの提供を求められるようになりました。
そのため高度な専門知識を持ちながら弁護士をサポートするパラリーガルの存在が重要になっています。
パラリーガルの将来性
日本社会では市民の権利意識の高まりや裁判員裁判の導入などにより、司法制度が身近な存在になりつつあります。近い将来はアメリカのような訴訟社会になってもおかしくないでしょう。
また企業でもコンプライアンス重視の傾向からインハウスローヤーが増加し、企業内でもパラリーガルを求める声が高まっています。
このような背景から、より高い専門性を持つパラリーガルは将来的な需要にも期待できる職種といえます。
パラリーガルのキャリアパス
パラリーガルはまず、勤務する法律事務所で業務経験を積むところがスタートです。担当の弁護士から信頼を得ることで任される業務も増えていくでしょう。その後はさまざまなキャリアパスが考えられます。
事務部門のリーダー・部門長になる
中規模以上の法律事務所では事務部門のリーダー・部門長を設けているケースがあります。
担当業務が増え、経験年数を積むとほかの事務スタッフを指導、マネジメントする立場になることができます。責任が増える分やりがいも大きく、給与や待遇面でもレベルアップできる可能性があります。
司法試験やほかの士業の合格を目指す
パラリーガルとして働きながら司法試験に合格し、最終的に弁護士を目指す人もいます。弁護士になった際にはパラリーガルとしての実務経験が活かせるでしょう。
司法試験以外には、司法書士や行政書士、社労士など隣接士業の資格を取得するための準備としてパラリーガルになる人もいます。隣接士業に合格すると、より専門性の高いパラリーガルとして重宝される可能性があるほか、士業として独立することもできます。
大手企業の法務部へ転職する
パラリーガルとしての経験は企業の法務部で活かすことができます。特に企業法務を扱う法律事務所での経験があれば法務部で重宝される可能性が高いです。
法律の知識のほかに、コミュニケーション能力や語学力なども活かすことができます。法務部があるのは大手や上場企業が多いため、年収や待遇の向上にも期待できるでしょう。
ほかの法律事務所へ転職する
今の法律事務所からほかの法律事務所へ転職し、キャリアアップを図る方法もあります。たとえば中規模の法律事務所から大手法律事務所へ転職すれば、規模が大きく最先端の企業法務をサポートするなど貴重な経験を積める可能性があります。
その後企業の法務へ転職したいと思ったときにも、大手法律事務所での経験はアピールできるでしょう。
また中規模の法律事務所への転職でも、特定の分野を扱っている法律事務所でより専門性を高め、ほかのパラリーガルにはない強みを得ることができます。
パラリーガルの仕事の魅力|転職した場合のメリット
パラリーガルという職業の魅力はどんなところにあるのでしょうか?
法律問題に直面している人をサポートできる
パラリーガルの大きな魅力は、法律問題で困っている人をサポートできることです。弁護士のように直接の法律相談に乗ることはできませんが、依頼者の相談内容をヒアリングしたり、重要な手続きをサポートしたりするのはパラリーガルの仕事です。
問題がよい方向で解決した際には感謝の気持ちを伝えてもらうことも多く、大きなやりがいを感じる瞬間です。
弁護士の近くで法律の専門性を磨ける
法律の専門家である弁護士の近くで業務をサポートすることで、専門性や教養を深めることができます。弁護士と一緒に働けるのは法律事務所で働くパラリーガルならではの魅力です。
汎用性の高いスキルが身につく
書類の作成や裁判所・官庁への手続きなどの事務処理スキルは、どの法律事務所でも通用します。裁判所へ提出する書類の書式は統一されており、パラリーガルの業務内容は基本的に共通している部分が大きいからです。
また弁護士や依頼者とのコミュニケーションや翻訳に必要な語学力など、汎用性の高いスキルが磨かれる職種でもあります。
これらのスキルはほかの法律事務所でパラリーガルとして働く場合はもちろん、ほかの多くの職種にも通じるスキルなので、今後のキャリアを形成するうえで大きな武器になります。
女性も多く活躍している職業
法曹界の職業は男性が多いため女性には少し敬遠されがちですが、パラリーガルは女性も多数活躍しています。性別によって業務内容やキャリアが制限されることはないため、長く働ける環境を求める女性にとって魅力的です。
ワークライフバランスが取りやすい事務所も多い
担当弁護士や案件の内容にもよりますが、パラリーガルは残業が少なめ・休暇を取得しやすいなど、比較的ワークライフバランスが取りやすい職種です。昨今は大手を中心に、優秀なスタッフを確保するために労働環境を整えている法律事務所が増えています。
家事・育児や介護と仕事を両立したい、心身の健康を保ちながら自立した生活を送りたいといった方に向いています。
パラリーガルの仕事で大変なところとは?
パラリーガルは魅力的な職業ですが、実際には大変なところも多くあります。転職する前にしっかり把握しておき、それでもパラリーガルに転職したいのかを自問自答しておきましょう。
弁護士の人柄に職場の雰囲気が左右される
パラリーガルの仕事の進め方や職場の雰囲気は、よくも悪くも弁護士の人柄に左右されます。そのため相性のよい弁護士を担当する場合は仕事が円滑に進みやすいですが、相性が悪い弁護士が相手だと苦労が絶えない場合があります。
業務量が多く幅も広い
パラリーガルの業務は法律事務の補助ですが、厳密にパラリーガルと弁護士秘書・事務職を区別していない法律事務所も多いため、その業務は多岐にわたります。中には雑用と思える仕事も含めてすべてをパラリーガルに任せられ、業務量が膨大になるケースがあります。
また個人向け案件を扱う法律事務所では債権処理や交通事故など案件数が多く、パラリーガルがひとりでいくつもの案件を抱えるケースが少なくありません。
深刻な悩みを抱えるクライアントが多い
法律事務所に相談に来る依頼者は、自分では解決できない深刻な法律問題を抱えています。精神的に参ってしまっているケースも多く、神経質になって泣いたり声を荒げたりする方もいます。
パラリーガルは依頼者と直接接する機会も多いので、依頼者の気持ちに配慮した言動が求められます。
相手の気持ちに寄り添う優しさが必要ですが、相手に感情移入しすぎると業務に支障をきたします。精神のバランスを保つ必要があるという意味で大変な仕事だといえるでしょう。
法律の知識を覚える必要がある
パラリーガルは弁護士ではないとはいえ、前提として法律の知識が必要な専門職です。法改正や所属事務所が扱う案件の変化にも対応する必要があるため、日々勉強しなければなりません。
一度覚えた知識がずっと使えるわけではないため知識をブラッシュアップしていく必要があり、大変な部分です。
弁護士の守秘義務に注意を払う必要がある
パラリーガルは資格職ではないので、パラリーガル自身に弁護士のような法令上の守秘義務が求められているわけではありません。しかし弁護士の補助者として案件に関わる以上、当然にクライアントの秘密を守る義務はあると考えられます。
そうでなければ上司である弁護士が懲戒処分を受けるなどして弁護士や勤務する法律事務所に多大な迷惑をかけますし、クライアントにも大きな不利益を与えるでしょう。責任の重い仕事です。
パラリーガルの平均年収は437万円|法律事務所の福利厚生は充実してる?
パラリーガルの給与や福利厚生、年収アップの可能性について解説します。
パラリーガルの平均年収
パラリーガルの平均年収は、業務内容や経験年数などによって変わりますが、厚生労働省の発表によれば平均は437万円です。各種調査によればサラリーマンの平均年収が400万円台前半が相場なので、パラリーガルの年収は概ね一般サラリーマンと同じくらいの水準といえます。
参考:【2024年最新】パラリーガルの平均年収は437万円|中央値や年齢別比較・年収を上げる4つの方法も解説
専門性は高いが給与はそこまで高くない職種
パラリーガルは事務職に含まれますが、法律の知識や複雑な事務手続きのスキルが必要な専門性の高い職種です。しかし実際にはパラリーガルの年収は一般会社員と大差なく、その専門性は必ずしも給与に反映されていないのが現状です。
小さな個人事務所では福利厚生があまり充実していない
法律事務所は、一般企業と比べると福利厚生があまり充実していないことも少なくありません。法律事務所の求人を見ると、福利厚生の充実を謳ったものも多いですが。実際は社会保険が完備されているだけというケースもあります。
今の時代、社会保険完備は当たり前というのが一般的な感覚であるため、特段充実しているような印象はもてないだけでなく、小さな法律事務所では退職金制度が無いところも多いです。
専門性を磨きながら転職すれば年収アップが可能
パラリーガルの年収は、会社員と比べても決して高いとはいえない水準です。しかし、日々向上心を持って業務に取り組み、高い専門スキルを着実に身につけ、市場価値の高いパラリーガルとなって転職していくことで、年収を上げることは十分に可能です。
今の法律事務所内で年収アップを狙うよりも、スキルアップと転職を通じて年収を上げていくのが基本的なモデルとなります。
中小→大手法律事務所への転職も年収が上がりやすい
パラリーガルの年収は勤務する法律事務所の規模によって差があります。
- 中小規模の法律事務所であれば300万~400万円ほど
- 大手法律事務所であれば400万~500万円ほど
が相場です。
そのため中小規模の法律事務所から大手へ転職することで年収アップを実現することができます。
なお、中小と大手では業務内容や取り扱い案件が変わってきますので、自分がやりたい仕事ができるか否かの確認はきちんとする必要があります。
パラリーガルの転職で求められるスキル
パラリーガルに転職するためにはどんなスキルが必要なのでしょうか?
パラリーガルへの転職に資格は必要か
初めてパラリーガルに転職する方にとって気になるのは資格の有無でしょう。パラリーガルの転職に資格は必要なのでしょうか。
資格がなくてもチャレンジできる仕事
パラリーガルは弁護士のように国家資格がないとできない仕事ではありません。したがって、基本的には誰でもパラリーガルになることができるといえます。
法律系資格があると有利
ただし、他の応募者との競争という意味では法律系資格があると有利にはたらく可能性があります。行政書士や知的財産管理技能検定、社会保険労務士などの隣接資格があったり、法律事務実務の基礎があることを証明できるパラリーガル資格(JLAA認定)を持っていると、有利になることが多いです。
パソコンスキル
書類作成業務でパソコンを使うためパソコンスキルは必須です。特にワードやエクセルなどのオフィス製品の操作スキルは大前提として求められます。MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)などパソコンスキルの証明となる資格は取得しておいて損はありません。
コミュニケーションスキル
パラリーガルは弁護士の指示を速やかに理解して業務に活かしたり、クライアントと弁護士の間の調整をしたりと、コミュニケーションスキルが必要な仕事です。他の事務スタッフと協力し合える協調性も求められます。コミュニケーションスキルを応募要件に掲げる求人も多いです。
リサーチスキル
パラリーガルのメイン業務のひとつに判例や文献の検索や調査があります。データベースから検索する場合や、一日中図書館にこもって資料を探すこともあります。リサーチというと誰にでもできそうに思えるかもしれませんが、リサーチの知識や経験がないと難しい業務でもあります。
ビジネスマナー
パラリーガルはクライアントと日々接することはもちろん、裁判所や弁護士会、その他の関係官公庁など様々な場所へ出向く機会も多いため、最低限のビジネスマナーが求められます。
ビジネスマナーが備わっていないパラリーガルがクライアント対応すると、弁護士や事務所に対する信用を落としてしまうため重要なスキルです。
海外案件を扱う法律事務所なら語学力
基本的には外国語学スキルがなくてもパラリーガルへの転職が可能ですが、特定の分野を扱う法律事務所では語学力が求められます。
例えば、国内外の企業に関するM&A等の渉外業務や知的財産などの案件を扱う法律事務所などがこれに該当します。
特に、国外にグローバル展開している大手企業の法務を扱う法律事務所では、海外案件を扱うケースが多いため語学力(特に英語)が必要となってきます。
したがって、語学が得意な方や語学力を活かしたいという方は、こられ外国語スキルを必要とする事務所は給与も比較的高いため、このような事務所で活躍するのも一つの選択しだと思います。
パラリーガルの転職でアピールできる経験や素養
パラリーガルの転職ではどんな経験・素養をアピールできるのでしょうか?
法律事務所での業務経験
法律事務所での業務経験があると、他の法律事務所に転職する際には、かなり有利になります。
パラリーガルのスキルは全国の法律事務所で共通であり、「パラリーガルは転職に強い」とよく言われますが、その所以はここにあります。
パラリーガルの求人を見ると、特に業務経験に関する指定が多いので、ご自身の経験をよく整理しておきましょう。
応募書類や面接において、これまでどのような業務を経験してきて、どこまでの法律事務ができるのかを的確にアピールすれば、採用される確率もあがります。
事務職としての経験
法律事務所での勤務経験がない場合でも、事務職としての経験は高く評価されることが多いです。
正確かつ迅速な事務業務が求めれるパラリーガルの仕事において、事務処理能力は極めて重要なスキルです。
また、一般事務よりも即戦力性が高い管理部門の事務職(法務・人事・経理)などの経験や、チームをまとめるポジションの経験がある方は、更にアピールできる可能性があります。
忍耐強いこと
パラリーガルの業務は一日中デスクに向かって業務することが多いです。
大量の証拠書類を準備したり、何十ページもの文書の翻訳にあたるなど、毎日が地道な作業の連続です。
何事にもコツコツと取り組む忍耐強さや集中力があれば、それは大きなアピール材料となります。
勉強熱心で向上心があること
パラリーガルとしてのスキルを上げて行くためには継続的な勉強が必要となりますし、また、日々の業務では分からないことが度々出てきますので、その都度自分で調べて解決していかなければなりません。
したがって、法律事務所では、好奇心旺盛な方や勉強熱心な方は好まれます。
特にこれといった資格や学歴がなくても、現在どんな勉強をしているのかを伝えるだけでも、向上心があることをアピールできます。
細やかな気配りができること
深刻な悩みを抱えるクライアントに細やかな気配りができるパラリーガルは重宝されます。
応募書類や面接では、「視野の広さ」や「相手の立場に立って物事を考え行動できる」といったことについて、具体的なエピソードを入れながら伝えると良いアピールになります。
パラリーガルへの転職は何歳までが有利?年齢制限は?
一般企業での転職では「35歳の壁」があると言われる場合がありますが、パラリーガルの転職で年齢は関係あるのでしょうか?パラリーガルの転職と年齢について解説します。
年齢制限はない
パラリーガルの転職に年齢制限はありません。年齢そのものよりも、常にアンテナを張り勉強をし続けられる姿勢があることが大切です。法改正は頻繁に行われますし、社会の流れに応じて扱う案件も変わってきます。そうした変化に対応するという姿勢が求められます。
年齢が高くても勉強熱心で知識をブラッシュアップできる人であれば問題ないですし、反対に年齢が低くても継続的に勉強したくないというタイプの人は活躍できないでしょう。
転職活動を有利に進めるには40歳までがひとつの目安
明確な年齢制限はないものの、未経験で法律事務所に転職するにあたっては、40歳がひとつのラインとなります。40歳がひとつの目安となるのは、できるだけ長く働いてもらいたいという法律事務所側の意図と、弁護士やほかの事務スタッフとのバランスを考慮するケースが多いからです。
弁護士よりも年齢が高いとやりにくいと感じる弁護士や、ほかの事務スタッフとの上下関係のバランスから年齢制限を設定している法律事務所もあるので応募の際に確認が必要です。
経験があれば年齢はほとんど関係なくなる
パラリーガルは専門性が高い事務職なので、40代・50代の人でも活躍している人が多く、経験豊富なパラリーガルはどこの法律事務所でも引く手あまたです。
正社員ではありませんが、60歳以上のパラリーガルも少なくありません。
それだけ知識と経験が豊富なパラリーガルは、貴重な存在です。
小規模の法律事務所がねらい目
年齢に不安がある方は、幅広い年代の人が活躍している法律事務所を選ぶことで採用のハードルを下げることができます。たとえば20代のパラリーガルが多い事務所に40代の方が応募しても、教育や上下関係のバランスから敬遠される可能性があります。
一方、さまざまな年代のパラリーガルが活躍している事務所であれば、年齢よりも経験や素養を重視して採用される可能性が高いです。内定の確率が上がるでしょう。
なお、年齢が高い方は、小規模の法律事務所がねらい目です。
事務スタッフが1~2人という事務所では、事務スタッフの年齢のバランスという問題がほとんど起きません。
また、年配のベテラン弁護士の事務所では、20代のスタッフよりも、40代前後の落ち着いた社会経験豊富な人が好まれることも多かったりします。
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未経験でもパラリーガルに転職はできる?
未経験でパラリーガルへの転職を目指す方に向けて、転職の可能性や採用の確率を上げるための方法をお伝えします。
未経験でも採用される可能性はある
パラリーガルの転職では即戦力になることを考えると、経験者が有利なのは間違いありません。
しかし、パラリーガルは実務での経験を通じて仕事を覚えていくことができるので、未経験でも十分にチャンスがあります。
実際に法律事務所の求人を見ると「未経験可」「未経験者歓迎」と謳った求人が多くあります。
また、他の法律事務所のやり方や考え方に染まっていないスタッフを好む弁護士も一定数いるので、むしろ未経験がプラスにはたらく場合もあります。
なぜパラリーガルになりたいのかが重要
未経験の場合、採用担当者はなぜパラリーガルになりたいのかが気になります。
近年はテレビドラマの影響もあり、パラリーガルの地名度も上がってきましたが、ドラマと現実の世界は違います。
テレビドラマのイメージや、単なる憧れや安易な気持ちでエントリーしてきていないかを、採用担当者は見極めようとします。
「法律問題で困っている人の助けになりたい」「サポート業務が得意」といった回答をする人は多いですが、これだけで終わるのは基本NGです。
必ずしも法学部や法科大学院出身である必要はない
未経験であっても、大学の法学部や法科大学院出身であれば、法律の素養があるという点で有利にはたらく可能性があります。
応募条件として法学部または法科大学院卒を掲げている求人も存在しますが、「学部を問わない」という求人が大多数です。
また、実務を通してスキルをに付けられる職種であるため、学歴はさほど重視されません。「学歴不問」の求人も多いので、大卒でなくても法律事務所に転職することは十分可能です。
もっとも、入所してからは覚えなくてはならないことが多く、業務の正確性は一般企業以上に求められますので、そのポテンシャルをしっかりとアピールできることは重要です。
事務処理能力が必須
法律事務は未経験でも、法律事務所では正確かつスピーディーに事務処理をする能力は必須です。
パソコン操作や書類作成などの事務処理経験があれば、十分にアピールすることができます。
事務経験が無い人は、最低でもパソコンの基本操作(Office製品の基本操作)ができないと、入所してから自分が大変なので、しっかりできるようになってから就職活動を開始するようにしましょう。
派遣やアルバイトから始めるのも方法
未経験の場合は採用側の考えとして、どこまで戦力になるのかが未知数なので正社員としての採用を躊躇しがちです。
正社員での転職が難しいなら派遣やアルバイトなどから始めてみてもよいでしょう。
なお、法律事務所の場合、一般企業と違い、派遣や契約社員、アルバイト等の非正規から正社員雇用されるケースは非常に多いです。
ただし、就職。転職活動の際には、応募先の仕組みとして、正社員へのステップアップが可能かどうか事前に確認しておいてください。
職種名にかかわらずまずは法律事務所で働くことが大切
法律事務所では「パラリーガル」と明記して募集をかけている場合と、「弁護士秘書」や「法律事務職員」などの職種名で募集をかけている場合があります。
そもそも、この3つの職種の定義は曖昧で、実際は業務内容がほとんど同じであることも少なくありません。
なお、それぞれの職種・業務内容が明確に区別されている場合でも、未経験の場合はパラリーガルにこだわらず、まずは法律事務所で働くことを目標にしましょう。
法律事務所の雰囲気に慣れて、基本的な事務処理も問題なくこなせるようになり、少し余裕が出てきた後でパラリーガル業務へチャレンジするのがよいでしょう。
パラリーガルが転職先の法律事務所を選ぶ際のポイント
パラリーガルとしての転職先は基本的に法律事務所です。法律事務所を選ぶ際のポイントや注意点を解説します。
どんな業務を担当したいのかを整理しておく
給与や待遇など条件面のみを見て転職活動を進めると、自分がやりたい業務と法律事務所側がやってほしい業務との間にミスマッチが生じ、転職後の不満につながります。
パラリーガルとしての業務を中心にやりたいのか、秘書を含めて幅広い業務経験を積みたいのかを整理しておきましょう。
転職の際には募集要項で確認するだけでなっく、面接の場で直接、業務内容をよく確認しておくことをおすすめします。
大手事務所は分業制のためパラリーガルは法律事務がメイン
大手法律事務所でパラリーガルの募集をかけている場合は、法律関係の業務がメインになります。
大手は「弁護士秘書」「一般事務」「パラリーガル」を明確に区別したうえで、各専門のポジションごとに分業制をとっているケースが多いです。
また、採用についてもポジション別採用のため、「パラリーガルのはずなのに秘書や一般事務ばかりやらされる」といった不満は生じにくいでしょう。
中小規模事務所は秘書から一般事務まで幅広く担当
中小規模の法律事務所の場合は、パラリーガルに秘書から一般事務まで任せるケースが少なくありません。
今後のキャリアを考えて幅広い業務経験を積みたい場合は向いていますが、法律事務スキルを上げるための転職である場合は不満につながる可能性があります。
また、「身につけたいと思っていた法律事務スキルが身につかない」といったことにならないように、転職活動の際には、応募する先の事務所がどのような事件を多く扱っていて、具体的にどのような事務処理をすることになるのかを、細かく丁寧に確認しておく必要があります。
これまで経験した分野を活かせる事務所を探す
医者に担当科があるように弁護士にも得意分野があり、その分野でのサポートを期待しています。
そのため、パラリーガルもこれまでの経験分野を活かせる法律事務所に応募すると内定を得られる確率が高まります。
担当弁護士がどんな人かを見極める
パラリーガルは弁護士をサポートする仕事なので、担当弁護士との相性が非常に重要です。
面接の場で、弁護士の人柄や仕事に対するスタンス・考え方などを観察することが大切です。
直接で会える機会がない場合は、法律事務所のHPやSNSなどで自身の見解を述べている弁護士も多いので、これらをチェックしておくだけでも参考になりますが、面接で直接会える機会を設けてもらうことをおすすめします。
通常、お願いすると多くの事務所では、弁護士と話をする機会を設けてくれます。
求人タイトルの「パラリーガル」という職種名にこだわらない
法律事務所の求人のタイトル(職種名)は、パラリーガル以外にも法律事務職員や弁護士秘書、一般事務など様々です。
「パラリーガル」という職種名にこだわると選択の幅が狭くなり、せっかく自分に合う法律事務所への転職機会を失ってしまう可能性があります。
求人のタイトルや職種名よりも、具体的な業務内容や法律事務所の理念や方針にしっかり目を向け、自分の経験やスキルが活かせる事務所を探しましょう。
パラリーガルの転職活動方法6つ|内定獲得に最も近い手段はどれ?
パラリーガルの転職活動は他の職種と比べてやや特殊です。転職活動の方法を確認しましょう。
弁護士会の法律事務職員求人情報
弁護士会のHPで法律事務所職員の求人を出している場合があります。
件数は多くありませんが、希望する勤務地の弁護士会の求人情報は定期的にチェックしておくとよいでしょう。
転職エージェントのような求人紹介はなく、求人情報に記載の方法で法律事務所と直接やり取りをすることになります。
転職サイト
リクナビNEXTやマイナビ転職、dodaなどの大手転職サイトは幅広い求人を扱っているため、法律事務所の求人を出している場合があります。
転職サイトはサイトに登録したうえで、自分で求人を検索し、法律事務所と直接コンタクトを取る方法で応募します。
こちらも件数はそれほど多くないですが、他の方法と併用することで求人情報量を増やすことができます。
求人検索エンジン
「パラリーガル 求人 希望地域」などで検索すると、インディードや求人ボックスなどの求人検索エンジンで法律事務所の求人がヒットする場合があります。
求人検索エンジンは自社掲載の機能もありますが、基本的には他社の転職サイトや求人サイトなどの情報を集約したものなので、実際の応募は他の転職サイトなどを経由する仕組みになっています。応募方法は求人の内容をよく読んでご確認ください。
気になる法律事務所のHPから直接応募する
気になる法律事務所があるなら、HPの採用ページをチェックしてみるとパラリーガルの募集をかけているかもしれません。
必ず募集があるとは限りませんが、転職を急いでいないのなら今の仕事を続けながら定期的にチェックし、募集があった段階で応募するのもひとつの方法です。
転職エージェントは対応している?
一般に転職活動は転職エージェントを利用するケースが多いですが、パラリーガルの転職でも転職エージェントが有効なのでしょうか?
正直ほとんどないと思った方が良い
実はパラリーガルの求人を扱っている転職エージェントはかなり少ないのが現状です。
理由として、法律事務所は個人経営の小規模事務所が場合が多く、パラリーガルをはじめとする事務スタッフをエージェント料金で雇う事務所がほとんどないからです。
法律事務所特化型のエージェントなら可能性あり
ただし、法律事務所や士業に特化した転職エージェントであればパラリーガルの求人を扱っている場合があります。
法律事務所での経験年数が求められるケースが多いので、経験者や実務経験豊富な方ならおすすめです。
パラリーガル資格の専門スクール経由
国内で唯一のパラリーガルの専門スクール「AG法律アカデミー」では法律事務所紹介制度を実施しています。未経験での法律事務所への就職内定率は81.3%(令和2年1月時点)と高いため、パラリーガルへの転職を目指す方に最もおすすめできます。
パラリーガルの転職におすすめの転職支援サービス
最後に、パラリーガルが転職する際におすすめの転職支援サービスについて解説します。
AG法律アカデミー|未経験から経験者まで対応
AG法律アカデミーは日本唯一のパラリーガル資格であるJLAA(日本リーガルアシスタント協会)の認定資格を取得できるスクールです。
受講生の約8割が法律事務未経験者であり、法律知識ゼロからパラリーガルを目指す方より特に強く支持されています。
AG法律アカデミーは実務の勉強で終わることなく、法律事務所紹介制度によって転職支援まで行っています。
この紹介制度は単に法律事務所を紹介するだけでなく、受講生の性格や長所をよく知る担当講師が窓口となって、応募先の法律事務所にアピールして後押ししてくれるのが大きな特徴です。
面接対策や応募書類の添削もすべて無料でサポート致します。
また実務経験が2年以上あれば、AGの修了生でなくても紹介制度を利用できるため、経験者にもおすすめの制度です。
参考:AG法律アカデミーの強み
リーガラスstaff|法律事務所の内情に詳しい
リーガラスstaffは法律業界専門の転職支援サービスです。
パラリーガルや企業の法務職の求人紹介で15年以上の実績があるため、法律事務所の内情に詳しくミスマッチのない転職につながります。
正社員紹介・派遣・紹介予定派遣の3つの形態から選べるほか、ベテランパラリーガルが講師のパラリーガル養成講座を無料で受けることもできます。
インディード|支援はないが求人数最多
インディードは求人検索エンジンなので転職支援はありませんが、一般的な転職サイトよりも多数の求人を目にすることができます。
転職サイトのように自社で集めた求人だけを載せているわけでなく、クローラーと呼ばれるロボットが自動収集してWeb上にあるさまざまな求人情報を集約し、検索結果に上がる仕組みになっているからです。
パラリーガルの求人はほかの職種と比べて探しにくい側面があるので、より多くの求人情報を集めるという意味では利用するとよいでしょう。
まとめ
パラリーガルは弁護士業務を補助する立場として、法律問題に直面する依頼者をサポートできる職種です。
日々やりがいを実感できる仕事で、今後も益々需要が高まる将来性も豊かな職種なので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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