法律事務職員とは?詳しい仕事内容とメリット・デメリットを徹底解説!

法律事務(パラリーガル)1

法律事務職員とは、法律事務所で弁護士のサポート業務を行う仕事です。
法律事務職員は、さらにパラリーガル弁護士秘書という職種に分けることができます。
この両者の違いは、法律事務の基礎知識を必要とした業務の有無です。
パラリーガルと弁護士秘書のそれぞれの仕事内容は以下の通りです。

パラリーガル仕事内容

弁護士秘書の仕事内容

また、法律事務職員として働くかどうか迷っている場合、そのメリット・デメリットや、ご自身が法律事務職員に向いているかどうか、知りたいという方もいるのではないでしょうか。
そこで、以下表にメリット・デメリット、向いている人の特徴をまとめました。

法律事務職員メリットとデメリット

法律事務職員に向いている人

法律事務職員の仕事はパラリーガル弁護士秘書のどちらを選択するかによって、仕事内容が異なるので、その違いを理解しておく必要があります。

また、法律事務職員として働くにはメリット・デメリットがあり、向いている人には特徴があるため、それらをしっかり理解した上で、目指すのかどうかを判断する必要があります。

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本記事では、

・法律事務職員の仕事内容や年収
・パラリーガルと弁護士秘書との違い
・やりがいや苦労
・1日のスケジュール
・法律事務職員として働くメリットとデメリット
・法律事務職員に向いている人
・法律事務職員になるには

について解説をしていきます。

本記事を読むことで、法律事務職員とはどのような仕事なのか理解でき、さらにその仕事が自分にとって目指すべきものなのかどうか判断できます。

ぜひ、最後までお読みください。

1.法律事務職員とは

法律事務職員とは

法律事務職員とは法律事務所で弁護士のサポート業務を行う仕事です。

ただし法律事務職員は、さらにパラリーガルと弁護士秘書という職種に分かれるため、法律事務職員の仕事を理解するためには、まずこの2つの職種・業務を理解しておく必要があります。

そこでまずは、第1章では以下の内容を詳しく解説していきます。

・法律事務職員の仕事内容(パラリーガル・弁護士秘書)
・パラリーガルと弁護士秘書との違い
・法律事務職員の年収 ・法律事務職員のやりがい
・法律事務職員の苦労するところ
・法律事務職員の日のスケジュール

それでは詳しく解説していきましょう。

法律事務職員の仕事内容

先述の通り、法律事務職員にはパラリーガル弁護士秘書という2つの職種があります。

法律事務職員という仕事は、この2つの職種について知ることによって理解することができるため、パラリーガルと弁護士秘書という2つの職種について詳しく解説していきます。

パラリーガル

パラリーガルとは弁護士が監督・指示する中で、法律に関連する事務業務を行う職種のことです。
法律の知識が業務に関わってくるため、資格は必要ありませんが、より専門性の高い職種です。

具体的には以下のような業務を行います。

1.クライアントが弁護士へ法律相談に入る前に行う準備的な聞き取り
クライアントが弁護士へ相談を始める前に、クライアントの住所・氏名や、必要な範囲内で家族構成などを聞き取って記録にとり、簡潔にまとめます。

2.弁護士の法律相談業務やクライアントとの打ち合わせに同席
クライアントが弁護士に対して相談した内容や打ち合わせ内容を記録にとり、簡潔にまとめます。

3.法律・判例・文献の調査
書籍やデータベースを利用し、事件に関する法律・判例・文献などの資料を収集します。

4.裁判書類の作成及び起案
訴状、準備書面、証拠申出書、陳述書といった、裁判所に提出する書面のドラフト(下書き)をします。

5.裁判所への同行
裁判所で行われる弁論や弁論準備の他、破産審尋問や免責審尋といった裁判手続きに同行し、必要に応じて傍聴席で記録を取ります。

6.債務整理等における相手方業者との交渉
借金整理に関する事件の場合、相手方業者(債権者)と和解交渉を行ったり、和解契約書のドラフト(下書き)を行ったりします。

 

こうしてパラリーガルの仕事内容を見てみると、弁護士が行うような法律に関わる業務をサポートしていることがわかりますね。

弁護士の法律に関わる業務をサポートするためには、法律に関する専門的な知識が必須なのです。

弁護士秘書

弁護士秘書とは、担当弁護士がスムーズに仕事を進められるように業務をサポートする職種のことです。

具体的には、以下のような業務を行います。

1.郵便物・FAXの管理
弁護士事務所に届く郵便物・FAXに目を通し、緊急に対応が必要なもの、返事を要するものなど、重要度に応じて振り分けを行います。

2.弁護士の会議・アポイントなどのスケジュール管理
弁護士の会議や打ち合わせ、来客、訪問、出張などの予定を管理し、スムーズにスケジュールをこなせるように調整します。

3.出張に伴う宿泊場所・交通手段の手配
弁護士の出張に伴い、宿泊するホテルや交通手段の確認・手配を行います。

4.メール・電話対応
弁護士宛に届く問い合わせのメールや電話などに対応します。 スケジュール調整など、秘書で対応できるものは、自ら返信したり回答したりすることもあります。

5.来客対応
来客の前に応接室を整えておき、来客の際にはお出迎え・ご案内とお茶出しを行います。
そして来客が帰られる際にも、お見送りをします。

6.書類作成・修正
法律知識を必要としない書類を作成・修正します。 (例:礼状、案内状、依頼状、詫び状、見舞状、弔慰状、報告文など)

7.書類のコピー・ファイリング
弁護士が必要としている書類のコピーをしたり、これまで作成したり収集したりした書類をわかりやすく整理し、所定の場所に保管しておきます。
また不要な書類と必要な書類を分け、要らない書類は順次破棄します。

8.契約書の製本
クライアントが弁護士に依頼をする際に締結する「委任契約書」を製本します。

 

このように、弁護士秘書の仕事内容はパラリーガルほどの法律知識は必要とされず、一般企業の秘書の業務とそれほど変わりません。

ただし、弁護士からの指示内容に法律用語が入っていることもあるため、ある程度の法律の知識や用語を身に着ける必要があります。

パラリーガルと弁護士秘書との違い

パラリーガルも弁護士秘書も、どちらも法律事務職員ですが、実は区別をつけることができます。
パラリーガルと弁護士秘書の違いは、基本的な法律事務の知識を必要とした業務の有無です。

弁護士秘書は仕事内容でもご紹介した通り、法律の知識がなくても行える業務が中心です。
その一方で、パラリーガルは、専門的な知識がないと進めていくのが難しい業務なのです。

しかし、パラリーガルと弁護士秘書との区別が曖昧になっている法律事務所も多いようです。
パラリーガルと弁護士秘書を兼任する必要のある法律事務所もあります。

そのような場合には、弁護士秘書業務を行いつつも、法律の知識を使ってパラリーガルとしての業務も進めていくような、オールマイティに業務をこなしていく必要があります。

法律事務職員の年収

年収についても、パラリーガルと弁護士秘書では平均年収が違うため、それぞれの職種ごとに年収をご紹介していきます。

パラリーガルの年収

パラリーガルの平均年収は、260万円〜450万円です。
ここまで平均年収に開きがある理由は、法律事務所の規模や業務の内容、経験によっても給料に差が出るためです。

大手の法律事務所や外資系の法律事務所で働くパラリーガルは、比較的年収が高く、400万円以上の年収が見込めます。
一方で、中小規模の法律事務所でパラリーガルとして働く場合は、270万円〜350万円ほどの年収になります。

パラリーガルの年収について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご参考ください。

パラリーガルの給料・年収ってどれくらい?

弁護士秘書の年収

弁護士秘書の平均年収は、200万円〜350万円です。

弁護士秘書は、一般企業の秘書と同水準の年収になりますが、その法律事務所の規模によって年収に差が出ることがあります。

また、弁護士秘書とパラリーガルを兼務している場合、年収は平均年収より高くなる可能性があります。

法律事務職員として働くやりがい

法律事務職員としてのやりがいは、クライアントから感謝をされることです。

弁護士と同じくらいの温度感でクライアントから感謝されることも少なくないため、日々の業務に対するやりがいを感じられます。

というのも、トラブルを抱えて困っているクライアントに対して、法律によって解決に導くという一連の流れに関与できるからです。

パラリーガルであれば、実際にクライアントからの相談に同席して、弁護士と一緒にそのトラブルについての話を聞き、弁護士のサポート業務を行うため、弁護士と一緒に問題を解決できた瞬間は、達成感ややりがいを強く感じられる瞬間でもあります。

また、弁護士秘書であれば、クライアントと顔合わせをしないまでも、そのクライアントが抱えるトラブルなどは把握しています。

そのため、その案件が無事解決できるよう、法律の知識が必要でない分野で弁護士の負担になりそうな事務処理を行うことで、問題解決へ貢献することができるのです。

その後、クライアントから感謝の言葉をいただけると、クライアントの問題解決に向けて日々の業務を頑張って良かったとやりがいを感じる瞬間を味わえます。

法律事務職員として働く上で苦労するところ

法律事務職員として働くにあたって苦労することは、以下の2点です。 ・弁護士それぞれの業務のやり方にあわせる必要がある ・覚えることが多い それでは詳しく解説していきます。

弁護士それぞれの業務のやり方に合わせる必要がある

法律事務職員は、1人1人の弁護士のやり方に合わせて業務を行うことに苦労します。
その理由は、弁護士によって法律事務職員に対する指示の仕方や求めることが違うからです。

例えば、パラリーガルのAさんが、弁護士Bさんと弁護士Cさんの担当になったとします。
弁護士BさんはAさんに対して、「先回りして仕事はしなくても良いから、指示したことだけをやって欲しい」ということを求めています。
一方で弁護士Cさんは、「できることはどんどん先回りしてやっていって欲しい」ということを求めています。

このような場合、Aさんは弁護士のBさんとCさんが求める業務のやり方の違いをしっかり理解し、業務をこなしていく必要があるのです。

上記の例は、パラリーガルの場合でお話しましたが、もちろん弁護士秘書にも当てはまります。

法律事務職員は、1人で複数人の弁護士サポートをすることもよくあるため、弁護士に合わせて柔軟に対応しなければならない点は、仕事をする上で苦労するところでしょう。

覚えることが多い

法律事務職員として円滑に仕事を進めていくためには、ある程度の法律の専門用語やそれにまつわる知識を覚えなくてはならず、苦労する方が多いようです。

パラリーガルは法律に関する知識を使いながら、弁護士のサポート業務を行うので、専門知識を身に着けることは必須ですが、弁護士秘書も、弁護士の指示を理解するためには法律用語の習得は必須なのです。

弁護士からどんな指示が来ても対応できるように、業務のやり方や法律の知識・用語を隈なく覚えなければいけないというのは、入所した手の頃は苦労するかもしれません。

しかし、知らない用語があったらメモしておいて、後から自分で調べて学習しておくなど、積極的に学ぶ姿勢があれば、すぐにサポート業務に慣れることも可能でしょう。

法律事務職員の1日のスケジュール

法律事務職員がどのようなスケジュールで働いているのか、ある1日のスケジュールを見てみましょう。

パラリーガルの1日のスケジュール

09:00 出社
09:20 所内の清掃
09:30 業務開始
09:35 弁護士から指示があった業務への取組み(資料の取り寄せ・書面の下書きなど)
12:00 お昼休憩
13:00 弁護士に同席してお客様からの相談の聞き取りについて記録をとる
14:00 官庁などへ外出をする(法務局や裁判所、弁護士会館、銀行、税務署などにいく場合も)
15:30 資料作りや文書の確認をする
17:00 弁護士へ業務報告
18:00 帰宅

 

パラリーガルの1日の流れは、勤務する法律事務所の規模や専門分野によって様々です。

中小規模の法律事務所では、パラリーガルと弁護士秘書の業務を兼任することもあり、上記のようなスケジュールの中に秘書業務を行う場合もあります。

その一方で、大手法律事務所の場合は、パラリーガルと弁護士秘書の業務が分業化されていることが多く、上記のスケジュールに似た流れで業務を行っています。

残業についても法律事務所によって様々で、定時で業務を終えられる事務所がある一方で、忙しい事務所の場合は日常的に残業が発生するようです。

弁護士秘書の1日のスケジュール

09:00 出社
09:15 留守番電話の解除、FAX・郵便・メールなどの確認
09:30 会議に使う資料の印刷、ファイリング
10:30 来客対応(お客様の案内とお茶出し)
11:00 依頼された資料を後から探しやすいようにファイリングする
12:00 昼休憩
13:00 弁護士の出張に伴うホテルや航空券などの手配
15:00 お客様と弁護士の面談日の調整
17:00 担当弁護士と予定の確認・出張の手配状況などを打ち合わせでまとめて共有
18:00 帰宅 

 

パラリーガルと同様、弁護士秘書の1日の流れも、所属する法律事務所の規模や専門分野によって異なります。

中小規模の法律事務所であれば、弁護士秘書として採用されても、業務内容にはパラリーガルの業務が含まれている場合もあります。

その一方で大手法律事務所の場合は、弁護士秘書とパラリーガルの業務は分業化されていることが多いため、弁護士秘書は上記のようなスケジュールで業務を行っています。

残業については、弁護士の担当する裁判がいくつも重なっている繁忙期には、業務量が増え、残業も発生します。

一方で、繁忙期以外は業務量も落ち着いているので、残業は少ないようです。

2.法律事務職員として働く3つのメリット

法律事務職員として働くことを検討している場合、本当に自分が働くべきなのかどうかを判断するために、そのメリットデメリットを知っておく必要があります。

まずは法律事務職員として働く3つのメリットをご紹介します。

法律事務職員3つのメリット

それでは詳しく解説していきます。

需要が高い

法律事務職員として働くメリットとして、需要が高いことが挙げられます。

その理由は、弁護士や法律事務所が増えているため、それだけサポート業務を依頼できる法律事務職員の存在も必要になっているためです。

司法制度の改革によって、2000年頃から弁護士や法律事務所の数が増えおり、事務所間で競争が激化しているのが現状です。
他事務所に負けない多くの実績を残すためには、弁護士は効率よく業務を行う必要があります。

そこで、法律事務職員に弁護士の業務のサポートをしてもらうことで、より多くの実績を積み上げていきことが可能になるため、法律事務職員は弁護士にとって重要な戦力なのです。

結婚・出産に左右されず、働き続けることができる

結婚や出産に左右されずに働き続けられるのは大きなメリットの一つでしょう。

その理由は、専門性の強い職種であるからです。
パラリーガルや弁護士秘書は、法律事務所で培ったスキルや知識の専門性が強く、どこの法律事務所へ行ったとしても即戦力として働くことが可能です。

そのため、結婚や出産で辞めなければいけなくなったとしても、その専門性をアピールして新しい法律事務所で採用してもらうことが可能なのです。

例えば、大阪で弁護士秘書として働いている人が、結婚を機に東京へ引っ越すことになったとしても、東京の法律事務所で採用してもらうことはそれほど難しくないでしょう。

大阪で弁護士秘書として培ったスキルや知識は、東京の法律事務所でも同じように活用して働けるため、採用する事務所側からしても、育成(用語を覚えてもらったり、業務を教えるなど)の手間が省け、即戦力として働いてもらえる貴重な人材なのです。

したがって、結婚で住む場所が変わったり、出産で一時的に働けなくなっても、その専門性を生かして働き続けることが可能な、魅力的な職種です。

専門性を高めてキャリアアップも狙える

法律事務職員は、専門性を高めてキャリアアップできるという点もメリットと言えるでしょう。

というのも、法律に関する高い知識やスキルを身に付けられれば、 ・(弁護士秘書であれば)パラリーガルへのキャリアアップ ・(パラリーガルであれば)外資系の法律事務所、大手法律事務所へキャリアアップ が可能になるからです。

弁護士秘書が高度な法律知識を身につけることができれば、パラリーガルとしてキャリアアップでき、年収をアップさせられる可能性があります。

またパラリーガルは、すでに持っている法律知識に加え、語学力を身につければ、外資系の法律事務所や大手法律事務所へキャリアアップすることができ、年収をアップさせることができるのです。

経験の積み重ねと、学ぶ姿勢があれば、キャリアアップが望めるのが、法律事務職員の大きなメリットのひとつと言えるでしょう。

3.法律事務職員として働くデメリット

法律事務職員デメリット

法律事務職員として働くデメリットは、効率よく事務処理を行えないと仕事が終わらないという点です。

その理由は、業務の幅が広く、量が多くなるためです。

法律事務職員は基本的にパラリーガル・弁護士秘書の区別があるものの、中小規模の法律事務所では2つの職種を兼任することがよくあるため、それだけ業務の幅と量が多くなります。

一つの業務だけに集中して取り組むことはほぼ不可能で、同時並行で様々な業務を行っていく必要があるため、効率よく事務処理を行えないと、いつまで経っても仕事が終わらず、働くことが辛くなってしまう可能性があります。

4.法律事務職員に向いている人とは

法律事務職員のメリットデメリットについてご紹介しましたが、「メリットデメリットを知っても、法律事務職員になるべきかどうか迷ってしまう…」と感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで、法律事務職員に向いている人をご紹介します。 法律事務職員になるべきか判断するための材料として、見てみましょう。 法律事務職員に向いている人は以下の通りです。

法律事務職員に向いている人

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それでは詳しく解説していきます。

ミスが少なく、事務処理能力が高い人

パラリーガルも弁護士秘書も、膨大な書類の形式・種類を把握し、細やかなルールに則って書類を作成したり、ファイリングしたり、提出書類を確認したりする必要があるためです。

例えば、パラリーガルであれば、裁判所に提出する書面を、ルールに則って素早く作成し、間違いのない処理をしていく必要があります。

また、弁護士秘書であれば、弁護士が必要とする様々な業務の書類を素早く分類し、いつでもその書類が取り出せるように、丁寧で間違いのないファイリングが必要になります。

したがって、ミスが少なく、ルールに沿って素早く事務処理ができる人が向いていると言えます。

サポートが好き・得意な人

サポートが好き・得意な人は法律事務職員に向いているでしょう。

パラリーガルも弁護士秘書も、弁護士のサポート業務を行う法律事務職員です。 弁護士がスムーズに業務を進めていくための気配りや細やかな気遣いを自ら進んで行うことが求められるため、そのようなサポートをすることに抵抗がない人は、法律事務職員に向いているのです。

例えば、パラリーガルであれば、いつまでに必要な資料を準備しておけば、弁護士が次のステップへ業務をスムーズ進められるのかを見越して仕事をすることが必要です。

また、弁護士秘書であれば、弁護士がスムーズに業務を進めていけるように、弁護士の現在の業務量などを把握した上で、ベストなスケジュールを組む必要があります。

したがって、常に弁護士のことを考えて全力でサポートする姿勢を持って仕事ができる人は、法律事務職員に向いていると言えます。

コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人は法律事務職員に向いていると言えます。

基本的に法律事務職員は弁護士からの指示で動くため、その指示を素早く理解し、正確に業務に反映する必要があるからです。

常にこなすべき業務が多い現場だからこそ、弁護士の指示の要点を瞬時に理解する、質問や報告は簡潔にわかりやすく伝えるなどのコミュニケーション能力は必須なのです。

向上心がある人

向上心がある人は法律事務職員に向いています。

業務上、法律の専門用語が飛び交っている現場なので、自ら学ぶ姿勢を持って、必要な知識はどんどん吸収し、業務をこなす量・質・スピードを上げていく必要があるためです。

パラリーガルに専門用語や知識・スキルが求められるのはもちろんですが、弁護士秘書も法律用語やそれに関する知識がなければ、業務がなかなか前へ進みません。

わからない単語があれば、後から自分で調べて深く理解するということを繰り返し、着実に自分の知識やスキルをアップさせていける向上心のある人は、法律事務職員に向いていると言えるでしょう。

5.法律事務職員になるには

法律事務職員になるには

法律事務職員になるにあたり、基本的に学歴は問われません。
また社会人経験があれば、未経験でも採用可能としている法律事務所も多くあります。

しかし、未経験の方にとって法律事務職員の業務は、すぐにこなせる簡単な仕事ではありません。
それゆえに応募者に実務経験者がいる場合には、経験者が優先的に採用されてしまうことも多い、というのが実際のところです。

そこで、未経験の方には資格取得をすることをおすすめします。

資格は知識やスキルを客観的に証明できるものなので、実務経験がなくても、経験を補うことができるのです。

第5章では、パラリーガルもしくは弁護士秘書になるために取得すると良い資格をそれぞれご紹介します。

パラリーガルになるために持つべき資格

まずはパラリーガルになるために持つべき資格をご紹介します。

以下の2つを取得すれば、実務未経験であっても経験を補うことが可能です。

・パラリーガル認定資格
・MOS資格

それでは詳しく解説していきます。

パラリーガル認定資格

パラリーガル認定資格とは、日本リーガルアシスタント協会が主催の民間資格です。

協会指定の専門学校にて、「パラリーガル認定資格講座」を修了した後に受験ができます。

この資格取得をおすすめする理由は、以下の2点です。

・法律事務の基礎知識があることを証明でき、他の未経験者よりも採用されやすくなる
・パラリーガルとして働く上でのモチベーションの高さもアピールすることができる

弁護士の方々からすると未経験者の採用は、教育に時間・コスト・エネルギーがかかる上、一定の水準まで業務をこなせるようになるかは未知数、というリスクがあります。

また、実際にパラリーガルとして採用しても、「仕事についていけず辞めてしまうのではないか」といった不安があり、パラリーガルとして働く真剣度合いを知りたいと感じているのです。

そのため、パラリーガル認定資格を取得して法律事務所への転職に臨めば、弁護士は「仕事にすぐ慣れ、業務をこなせるようになってくれそう」という期待感を持ち、「パラリーガルとして働こうという真剣さがある」と判断し、採用を決める可能性は高くなります。

AG法律アカデミーでは、日本リーガルアシスタント協会の指定校となっており、下記資格が取得できる講座を実施しています。

パラリーガルになりたいとお考えの方は、ぜひ以下の資格取得をご検討ください。

*一般社団法人日本リーガルアシスタント協会「パラリーガル認定資格」
AG法律アカデミー/パラリーガルの資格制度と法律事務所への就職・転職についての記事はこちら

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)資格

MOSは、Microsoft Office Specialist(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の略です。

事務職に必要不可欠なMicrosoft Office製品のスキルレベルを証明できる資格です。

この資格取得をおすすめする理由は、WordやExcel使った書類作成や図表の作成は、パラリーガル業務において必須であるためです。

パラリーガルの業務では、Wordを使って裁判書類や契約書などの書類作成を行ったり、Excelを使って事件に関するデータを図・表・グラフにしたり、日常的にWordやExcelを使用します。

そのため、基本的な事務処理能力をアピールできるMOS資格は、パラリーガルとして就職する際に有利に働くでしょう。

パラリーガルも含めた事務職の転職でおすすめの資格は、以下の記事でご紹介しています。
ぜひご一読ください。

事務職 転職 資格

弁護士秘書になるために持つべき資格

次に弁護士秘書になるために持つべき資格をご紹介します。 以下の2つを取得すれば、実務未経験であっても経験を補うことが可能です。

・秘書検定
・MOS

それでは詳しく解説していきます。

秘書検定

秘書検定とは、公益財団法人 実務技能検定協会が主催の資格です。

秘書検定の資格取得によって、証明できる知識・スキルは以下の5つです。

・秘書の基本的な役割、要求される人柄の理解
・社会常識
・文書の作成、取扱、ファイリング
・ビジネスマナー
・スケジュール管理、環境の整備

秘書検定の取得をおすすめする理由は、まさに秘書検定で証明できる上記5つの知識やスキルが、業務でもそのまま活かせるため、未経験者であっても採用されやすくなるためです。

弁護士のスケジュール管理や、来客対応、書類のファイリングなど、弁護士秘書の業務内容は、秘書検定の資格取得に向けて学んだ知識やスキルをそのまま活かして仕事ができます。

そのため、秘書検定の資格を取得していれば、安心して仕事を頼める人材だと判断してもらえるでしょう。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)資格

MOS資格はパラリーガルになるために持つべき資格でご紹介しましたが、弁護士秘書にとっても取得しておきたい資格です。

WordやExcel使った書類作成や図表の作成は、弁護士秘書業務においても必須なのです。

弁護士秘書は法律知識を必要としない書類(例えば、礼状など)をWordで作成したり、弁護士に依頼されたデータをExcelで図や表・グラフにしたりするなど、やはり日常的にWordやExcelを使用します。

採用の際にはWordやExcelなどの基礎PCスキルがあるかどうかをテストする法律事務所もあるほどです。

そのため、基本的な事務処理能力があることを示せるMOS資格は、取得しておくことをおすすめします。

6.まとめ

本記事では、法律事務職員の仕事についてやそのメリットデメリットなどを解説しました。

改めて今回お伝えした内容を振り返ってみましょう。

法律事務職員は、パラリーガル弁護士秘書の2つの職種の総称。

・パラリーガルの仕事内容
パラリーガル仕事内容
・弁護士秘書の仕事内容弁護士秘書の仕事内容

・パラリーガルと弁護士秘書の違いは、「法律の知識を必要とした業務の有無」。

・法律事務職員のメリット、デメリット

法律事務職員メリットとデメリット

・法律事務職員に向いている人

法律事務職員に向いている人

・パラリーガルになるために取得しておきたい資格は、「パラリーガル認定資格」「MOS

・弁護士秘書になるために取得しておきたい資格「秘書検定準1級」「MOS

本記事を読んで、法律事務職員へ転職をしたいと思った方は、ぜひ資格を取得するための勉強を始めてみたり、求人を探したりするなど、行動を起こしてみましょう。

 


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