パラリーガル資格で法律事務所へ有利に就職!未経験でも取得可能な国内唯一の専門資格

パラリーガル資格制度の概要

パラリーガル資格制度と法律事務所への就職・転職

パラリーガルとは、弁護士の指示・監督のもとで法律事務業務を行い、弁護士の業務をサポートするお仕事です。

つまり、パラリーガルとは、弁護士が執り行う法律事務を補助する一つの専門職です。

しかし、広義では、法律事務所で勤務する弁護士秘書や一般事務職員の他、一般企業の法務部で法律事務を行う者も含め、これらを総称する意味で用いられる場合があります。

パラリーガルは、法律事務のスペシャリストで、そのスキルは全国の法律事務所や企業の法務部で共通であることから、転職に強いということが大きな魅力の一つです。

また、法律を全く学んだことのない、法律事務未経験者でも可能なお仕事であり、法律事事務所(弁護士)は、景気に左右されない(不況に強い)と言われることからも、今とても注目を集めている職種です

そして、このパラリーガルに関する「資格」についても、年々その認知度が上がっていますが、初めて聞いた方も多いと思います。

そこで今回は、これまで10年以上にわたって、2,000人以上の法律事務所就職希望者をサポートしてきた、パラリーガルの育成を専門とするプロの講師が、パラリーガルの資格制度について徹底解説します。

この記事を最後まで読んでいただきましたら、

  • パラリーガル資格にはどのようなものがあるのか
  • パラリーガル資格以外に、どのような資格があると法律事務所の就職に有利なのか
  • 自分にとってパラリーガル資格があった方がいいのか、不要なのか

ということが分かります。

パラリーガルの仕事内容や給与などについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
■ パラリーガルの仕事内容、給料、将来性!元弁護士が専門家視点から徹底解説≫
 

パラリーガルに「資格」ってあるの?

まず、パラリーガルに資格というものはあるのでしょうか?

パラリーガルに資格は「ある」という人もいれば、「ない」という人もいたりするので、「いったいどっちなの???」って思いますよね。

結論から言えば、パラリーガルの資格はあります。
具体的には、一般社団法人日本リーガルアシスタント協会(JLAA)という機関が、実施及び認定している資格です。

こちらの資格は民間資格であり、国家資格ではありません。

したがって、弁護士や司法書士、医師や看護師などとは異なり、このパラリーガル資格がないとパラリーガルとして仕事ができないということではないですし、もちろん法律事務所に就職できないということでもありません。

このように、国家資格でないことから「パラリーガルに資格はない」といわれることがありますが、民間資格としてはあります。

民間資格というのは、例えば、日商簿記やMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト検定)、英検や漢字検定などがありますね。

簿記の資格がなくても経理の仕事はできますし、MOSを持っていないからといって、パソコンを使えないなんてことはないですよね。

しかし、これらの資格を持っていることによって、その分野において、一定のスキルがあることが証明されるわけです。

したがって、一般社団法人日本リーガルアシスタント協会のパラリーガル認定資格も、これらと同じような位置づけだと理解すれば、わかりやすいかなと思います。

 

パラリーガル資格
一般社団法人 日本リーガルアシスタント協会認定

国内唯一のパラリーガル資格制度

パラリーガルは、その専門性の高さにもかかわらず、これまで資格制度がありませんでした。

入所間もない新人さんも、10年以上のキャリアがあるベテラン職員さんも、全て「法律事務職員」という位置づけでした。

近年、パラリーガルの需要が高まる中で、日本弁護士連合会(日弁連)も、「事務職員能力認定試験」を実施していますが、受験要件として法律事務所での実務経験が一定以上求められていることから、現在のところ実務未経験者が受験することはできません。

現在、未経験者でも取得できる(受験できる)「パラリーガル資格」は、日本リーガルアシスタント協会が実施しているものだけです。

AG法律アカデミーは、日本リーガルアシスタント協会の指定校となっています。 (パラリーガル認定資格講座の実施校)
■ AG法律アカデミーのパラリーガル資格取得講座の特徴はこちら≫

弁護士人口参考:弁護士白書2019

 

パラリーガル資格の種類

一般社団法人日本リーガルアシスタント協会は、国内でパラリーガル認定資格が取得できる唯一の機関となります。

この資格は、3段階に分かれており、個々のレベルに合わせて資格が取得でき、法律事務所での実務経験が無くても、誰でも受験可能です。

  • エレメンタリー・パラリーガル(初級)
  • インターメディエイト・パラリーガル(中級)
  • アドバンスド・パラリーガル(上級)

パラリーガル資格種類

 

■ 各コースのカリキュラムと日程はこちら≫

 

パラリーガル資格5つの強さ

  1. パラリーガル資格を有することで、未経験者も実務経験者も、そのスキルを客観的に証明することが可能

  2. 採用する側は、未経験者でも知識を持った者であれば教育する負担が大幅に軽減されるため、資格を持った未経験は圧倒的に有利

  3. パラリーガルの需要が高く、実務経験者の採用がなかなか困難な今、実務未経験者でも有資格者は益々有利

  4. パラリーガルのスキルは全国の法律事務所で共通であり、どこの法律事務所でも即戦力として活躍できることから、とにかく転職に強い

  5. パラリーガルのスキルは、法律事務所のみならず一般企業の法務部などでも需要も高いため、スキルを証明できる有資格者は企業への転職にも強い

 

パラリーガル認定資格試験の受験要件

【エレメンタリー・パラリーガル】<Elementary Paralegal>(初級)

以下の何れかの要件を満たしていること。

  • エレメンタリー・パラリーガル認定資格講座を修了していること。
  • 1年以上法律事務所での実務経験があること。

 

 【インターメディエイト・パラリーガル】<Intermediate Paralegal>(中級)

以下の何れかの要件を満たしていること。

  • エレメンタリー・パラリーガル資格を有し、インターメディエイト・パラリーガル認定資格講座を修了していること。
  • 1年以上法律事務所での実務経験があること。

 

 【アドバンスド・パラリーガル】<Advanced Paralegal>(上級)

以下の要件を満たしていること。

  • インターメディエイト・パラリーガル資格を有し、アドバンスド・パラリーガル認定資格講座を修了していること。

 

パラリーガル資格 各コースの難易度(合格率)

 エレメンタリー・パラリーガル(初級)  約90%
 インターメディエイト・パラリーガル(中級)  約85%
 アドバンスド・パラリーガル(上級)  約75%

 

日本弁護士連合会 法律事務職員能力認定試験

法律事務職員能力認定試験の概要

【受験資格】
受験時点で、法律事務所に勤務する事務職員、公務所又は企業その他の団体において弁護士の事務を補助する者。

【出題範囲】
事務職員能力認定制度に基づく研修会実施科目(基本8科目、応用7科目)から出題。

【研修会科目】

<基本>   

  • 民事訴訟と事務職員の役割
  • 民事執行総論、債権執行
  • 債務整理総論、破産ならびに個人再生手続の概要
  • 民事保全手続


 <応用>   

  • 訴訟以外の民事手続き、裁判外手続
  • 不動産競売、その他の民事執行
  • 破産管財
  • 民事訴訟の構造、弁護士倫理と事務職員倫理

 

パラリーガル資格(日本リーガルアシスタント協会)と
日弁連の法律事務職員能力認定試験の違い

違いのポイント

  1. 日弁連の認定試験は、現役の法律事務職員等のみが受験可能

  2. 日本リーガルアシスタント協会の認定資格試験は、実務経験の有無を問わず、受験要件を満たしていれば誰でも受験可能

  3. 日本リーガルアシスタント協会の試験は、合格すると資格(民間資格)が付与される

 

日本リーガルアシスタント協会のパラリーガル資格の特徴

資格は、初級・中級・上級に分かれており、ご自分のスキルやレベルに応じて学んで頂くことが可能です。

全くの未経験者から実務経験のある方まで、無理なく段階的にパラリーガル資格を取得できます。

資格取得に関する講座は、パラリーガル(法律事務職員)を育成するためのカリキュラムとなっているため、大学の講義やその他法律系資格試験の勉強とは異なり、法律事務の実務に特化した内容となっています。

特に、エレメンタリー・パラリーガル(初級)の資格取得講座については、「法律を全く学んだこともなければ、法律事務所で働いたこともない」という方を念頭に置いたカリキュラム及び講義となっており、中学1年生でも理解できるように、徹底的に噛み砕いて解説していきます。

講師陣も、弁護士やパラリーガル経験者、税理士など、それぞれの分野のエキスパートが、様々な方向から丁寧にレクチャーしていきます。

パラリーガル資格取得講座は、通学クラスのみならず、通信クラスもありますので、お仕事やお住いの都合で通うのが難しい方でも受講可能です。

通信クラスは、インターネット環境があれば、24時間いつでも学習できます。

また、講義の中でわからなかった箇所については、個別に補講を実施したり、就職サポートとして個別就職対策を行うなど、受講生へのフォローする体制も整っています。


■ 通信クラス(オンライン講座)の詳細はこちら≫

 

 

パラリーガル資格

パラリーガル資格を取得するメリット

法律事務所 未経験者の場合

未経験者がパラリーガル資格を取得する主なメリットは以下の4点です。

  1. 実務に関する基礎知識を持った者であれば、事務所側は教える負担が大幅に軽減されるため、未経験者でも即戦力として法律事務所への就職活動で圧倒的にで有利。

  2. 入所後もストレスなくスムーズに業務に入って行ける。

  3. 就職活動の際、単に法律事務の講座で学んだということだけでなく、そのスキルを「資格」として客観的に証明できる。

  4. 就職活動において、業界のことや具体的な法律事務業務対する理解に加え、パラリーガルを目指す本気度が採用担当者に伝わることから、他の未経験者と比べ高い評価を受けられる。

それでは、以下、順番に解説していきます。

1.事務所側の負担が大幅に軽減され、即戦力として就職活動で圧倒的に有利

本音としては、採用する側の法律事務所が一番欲しい人材は、基本的には実務経験者です。
法律事務という専門業務を行うにあたり、即戦力になるわけですから当然と言えば当然ですよね。

しかし、多くの法律事務所では、実務経験者をなかなか採用できないという現実があります。

それは、大手求人サイトを始め、転職サイトに登録する実務経験者が少ないことが原因なのですが、ではなぜ実務経験者の登録が少ないのでしょうか?
その理由は以下のような点にあります。

  • まだまだパラリーガルの需要の方が高い
  • スキルの高いパラリーガルは弁護士が放さない
    (それなりの待遇をしている)
  • 事務所を移籍する際には、親しい弁護士の紹介や伝手で動く

このように、思うように実務経験者が採用できないとなれば、応募してきた未経験者の中から採用せざるを得ません。

そしてこのとき、実務未経験ながらもパラリーガル実務の基礎を学び、パラリーガル資格を持っていて、実務経験1年くらいの人と大差ないスキルを既に備えているのであれば、採用担当者が魅力を感じるというのは想像に難くないと思います。

法律事務は、一般企業の事務とは異なり専門性が高いため、全くの初心者の人に基本の「キ」から教えていくというのは非常に大変なことです。

特に小規模の法律事務所では人員も少なく、日々多忙な業務の中において、未経験者への教育は想像以上に時間とエネルギーを使います。

したがって、教育に対する負担を大幅に軽減できる「パラリーガル資格を持った未経験者」は、採用側からすると「何も持たない全くの未経験者」とは比較にならないほど魅力的なのです。

2.法律事務所へ就職後、スムーズに業務に入れる

「資格を持っていると法律事務所への就職に有利ですか?」
というご質問を多く受けます。

これに対するお答えは、ここまでもお話してきました通り当然「YES」です。

しかし、私もいつも受講生たちにお話しているのですが、法律事務所へ入ることがゴールではありません。
法律事務所に入ることはパラリーガルとしての一歩に過ぎません。

法律事務所に入るのは当たり前で、入った後のことを考えて欲しいのです。

法律事務所に就職・転職すれば、入ったその日から待った無しで業務が始まります。
法律に関する様々な専門用語が飛び交う中で、どんどん仕事を処理していかなくではなりません。

ここで断言しておきます。
法律を全く学んだことがない未経験者が、何の準備もなく法律事務所に入ったら、正直、なかなかしんどいものがあります。

私自身がそうでしたので、その大変さは身をもって感じました。

なお、これも誤解のないようにお話しておきますが、
全くの未経験者は法律事務所に入れないとか、やっていけないと言っているわけではありません。

ここまでお話してきましたとおり、未経験者でも当然法律事務所に入れますし、パラリーガルとして活躍もできます。

お伝えしたいのは、「OJTや丁寧な教育は基本的には期待できない」ということです。

ただ、法律事務所の求人情報等を見ると、
「未経験者歓迎!」
「丁寧に指導します!」
というものも多いですよね。

もちろん、これらは嘘ではないでしょうし、事務所としても「しっかり丁寧に教えていきたい」という気持ちがあるのだと思います。

しかし、実際のところは、満足のいく指導や教育は受けられないと考えてほぼ間違いないでしょう。

法律事務所は学校ではありません。
ただでさえ人員が少ない法律事務所において、専門性の強い法律事務を新卒者に対する指導のように教育担当者がついて、1から10まで手取り足取り繰り返し何度も教えてもらえるというのは基本ありません。

したがって、未経験者は、入所前に法律事務実務の基礎をしっかり身につけておくことで,入所後,右も左もわからないという事態に陥るのを防ぎ、ストレス無くスムーズに業務に入って行くことができます。

3.単に講座で学んだというだけでなく、スキルを「資格」として客観的に証明できる。

よくある「〇〇講座修了」というものは、その講座に出席して勉強したということだけで、講義内容を実際のところ理解しているかや知識として定着しているかは別の話です。

これに対して日本リーガルアシスタント協会のパラリーガル認定資格は、講座を全過程修了したうえで認定試験に合格しなければ資格は付与されません。

したがって、パラリーガルとしての一定の知識とスキルがあるということが、資格によって客観的に証明されるため、法律事務所への就職・転職活動においても高く評価されます。

4.法律事務所業界に対する理解やパラリーガルを目指す本気度が採用担当者に伝わる

AG法律アカデミーでは、法律事務所に対してパラリーガル有資格者の紹介も行っていることから、私も日々沢山の弁護士さんとお話する機会がありますが、その中で、以下のような声をよく聞きます。

「採用したけど1年で辞めてしまった・・・。」
「裁判所からの電話応対が、なかなかできるようにならない。」
「裁判手続きの流れや各事務処理の趣旨が理解できない。」

実は、法律事務所に就職・転職したはいいけど、入った後に「思っていた仕事と違う・・・」という理由で、直ぐに辞めてしまう人も少なくありません。

せっかく時間を掛けて新人を教育してきたのに、1年そこそこで「イメージと違った」といって辞められては、採用する側はたまったものではありません。

人を育てるのには、時間とコストとエネルギーが掛かります。
また、一人の事務職員の能力は、弁護士の仕事に大きく影響します。
小規模の事務所であれば、この点は特に顕著です。

したがって、弁護士は未経験者を採用する場合、

「テレビドラマのイメージで応募してきてないだろうか?」
「どの程度この業界のことや仕事内容を理解して来ているのだろう?」
「法律事務の適正はあるだろうか?」

といったことを、とても気にします。

パラリーガル有資格者で、AG法律アカデミーの修了生を採用した弁護士さんに、採用した理由を聞くと、

「貴重なお金と時間を使って勉強してきたわけだから、本気でパラリーガルになりたいと思っているのだろう。」

「既に法律事務の基礎を学んできたわけだから、入った後で『思っていた仕事と違う』とはならないだろう。」

「実務経験は無いけど、全くの素人よりも仕事を教えるのは楽だろう(成長は早いだろう)。」

とおっしゃる先生方がとても多いです。 

以上、ここまで法律事務所未経験者がパラリーガル資格を取得することのメリットについてお話をしてきましたが、パラリーガルには弁護士のような高度な法律知識が求められているわけではありませんし、資格が無ければ法律事務所に入れないというものでもありません。

しかし、パラリーガル資格は、「パラリーガルを目指す真剣さ」と「法律事務実務に関する基礎知識」を有していることを強く推定させることから、法律事務所間の競争が激しい今、法律事務所への就職・転職に際しては、その選考過程でとても有利に働きます。

そして、資格取得講座で身につけたその知識とスキルは、法律事務所に入所後、想像を遥かいに超えてあなた自身を助けてくれます。

■パラリーガルになるのに有利な資格7選!資格の必要性と求められるスキルを解説 ≫

 

法律事務所 経験者の場合

秘書業務や一般事務業務だけでよいという時代は終わる

改めて言うまでもありませんが、この業界、法律事務所での実務経験がある人は、とにかく転職に強いわけです。

法律事務所は、北は北海道から南は沖縄まで全国にありますが、法律事務の仕事はどこの法律事務所であっても、各種手続に関する事務処理はき基本的には同じです。

なぜなら、裁判手続きの流れや各種事務手続きは、法律や規則で決まっているからです。

したがって、これまで培ってきた法律事務スキル(パラリーガルスキル)は、全国どこの法律事務所でも生かせます。

「パラリーガルは転職に強い」といわれる所以はここにあります。

しかし、「転職に強い」というのは、当然ながら、それなりのスキルがあるというのが前提です。

「電話応対やお客さんの応対といった秘書業務しか経験がない」
「コピーや外回りのみの担当だった」
「経理や給与計算しかやったことがない」

というのでは、法律事務のスキルがあるとは言えず、採用する側からすると未経験者とあまり変わりません。

また、書証(証拠書類)の準備をしたり、裁判所提出書面を作成したり、一定の法律事務スキルがある人であっても、例えば、

  • 「裁判所にファックス出来るものと出来ないものの違いや、その法的根拠」
  • 「各事件の管轄裁判所とその根拠」
  • 「家事事件の種類とその手続きの流れ」
  • 「交通事故の逸失利益の計算」
  • 「破産管財や個人再生手続きの流れとその事務処理」

などについて、
「よく理解せず何となく日々事務処理をしてしまっている」
「各手続きの一部分の事務処理しかやったことがない」
という人は少なくないと思います。

一昔前までは,裁判所からの電話がとれて,簡単な書類作成やお使い仕事ができればよかったわけですが,弁護士の増加と共に法律事務所間(弁護士感間)の競争が激しい今,法律事務職員(パラリーガル)に求めれあるものは大きく変わっています。

近年では,各事件処理に対する基本知識を持ち,裁判所に提出する各種書面のドラフトや法律事務業務をしっかり行える本当の意味でのパラリーガルが求められるようになってきているわけですが,この流れは間違いなく今後も更に加速します。

秘書業務や一般事務だけでいいという時代は終わります。

誤解のないようにお話しておきますが、秘書業務や一般事務のお仕事が要らないと言っているわけではありません。
これらの業務も法律事務所では当然重要ですし,今後も必要なお仕事です。

しかし、これら秘書業務や一般事務業務は、正直なところ一般企業の事務職と大差ありません。
つまり、専門性が無く誰でもできる仕事(=替えがきく仕事)ということです。

実際にもう既に、秘書や一般事務職は派遣社員や契約社員で賄い、専門スキルを持ったパラリーガルは正社員で雇用するという法律事務所も多いです。

したがって、これからの時代、法律事務職員はしっかりと法律事務スキルを積んで行かなければ、良い条件の事務へ移籍することもできないばかりか、あっという間に後輩にも抜かされます。

こうした流れを受けて、現役の法律事務職員も真のパラリーガルを目指し、日本リーガルアシスタント協会(JLAA)のパラリーガル認定資格を取得する人が年々増えています。

では、法律事務所経験者がパラリーガル資格を取得するメリットとは何なのでしょうか?

結論からお伝えしましょう。
それは以下の3つです。

  1. パラリーガルの基礎(ベース)をしっかり固めることで、パラリーガルスキルを上げ続けることができ、常に自分の市場価値を高めることができる。

  2. 他の法律事務職員との差別化が図られ、事務所を移籍する際には、一定の法律事務スキルを客観的に証明できると共に、そのポテンシャルと向上心が大きく評価される。

  3. 経験のない分野の事案(事件)であっても,それに関する知識は備えていることをアピールできるため、違うジャンルの(取扱事件が異なる)事務所への移籍も可能となる。

それでは,それぞれ具体的にお話していきましょう。

1.パラリーガルの基礎を固めスキルを上げ続けることで、自分の市場価値が高まる

法律事務職員の約7割が、入所後3年目以降はスキルがほとんど伸びていません。

未経験で法律事務所に入所して2~3年くらいは、色々な仕事ができるようになり、特に何も意識しなくてもある程度はスキルが上がっていきます。

それは、これくらいまでの仕事であれば、特に法律知識も必要ないですし、各事件処理についてもそれぞれの手続きの流れや根拠がわからなくても仕事ができるからです。

しかし、ここから先スキルを伸ばしていくためには、パラリーガルとしての基礎(ベース)が必要となります。
この基礎となるベースが無い状態で、ただ単に目の前の業務を処理し、数をこなしてもパラリーガルスキルは伸びません。

事件ごとに異なる各種手続きの全体的な流れや根拠(条文)、制度趣旨をきちんと押さえ、そのうえで事務処理を行う(経験を積む)必要があります。

それには、ある程度時間をかけて各関係法令や裁判所の運用を勉強する必要がありますが、日々の業務中にこれらを勉強をするのは、なかなか難しいでしょう。

このパラリーガルの基礎(ベース)作りだけは、業務の外に時間をとって勉強しなければなりません。
いわゆる「デキるパラリーガル」「能力の高いパラリーガル」と言われる人たちは、どこかで必ずこの勉強する時間をとっています。

そして、この基礎(ベース)を作ってしまえば、あとは独学でどんどんスキルは上がって行きます

スキルが上がれば当然、パラリーガルとしての市場価値は上がるわけですから、事務所を移籍する際にもより良い条件の事務所に移ることができます。

2.資格によってスキルを客観的に証明でき、他の事務職員と差別化が図れると共にポテンシャルと向上心が高く評価される

法律事務職員と一言でいっても、その人の能力やスキルについてはかなり大きな幅ばあります。
必ずしも経験年数が長い人の方がスキルが高いというものでもありません。

法律事務所経験者を採用するとき、パラリーガル資格は、その人がどの程度のスキルを持っているのかを図る一つの物差しになります。

したがって、具体的なスキルを証明するものが何も無い他の一般的は法律事務職員とは差別化を図ることができます。

また、時間と費用を自分に投資してスキルアップを図ってきた人は、今後も更にスキルが上がって行く可能性が高いと通常は考えるものなので、法律事務所を移籍する際には、志望先の法律事務からその向上心とポテンシャルが高く評価される。

3.事務所を移籍する際、経験のない分野の事案(事件)であっても知識は備えていることをアピールできる

どのようなパラリーガルスキルが身につくかは、勤務する事務所によって異なります。

たとえば、交通事故専門の法律事務所で働いていたパラリーガルは、交通事故事件に関する事務手続きや、これに関する法的知識が豊富だったりします。

しかし、この場合、多くの事務所が取り扱っている家事事件(離婚事件や相続事件など)や破産事件に関するスキルは、基本的には身につかないことになります。

そこで、パラリーガル資格を取得して、今の事務所で扱っている事件以外の手続きについても学ぶことで、
「前の事務所は交通事故専門の事務所だったが、交通事故事件以外の家事事件や破産管財事件に関しても、基本的な実務知識は持っている」というアピールが可能となります。