パラリーガルとは?元弁護士が専門家視点でパラリーガルの仕事内容・給料・将来性を徹底解説

パラリーガルとは?パラリーガルについてプロが徹底解説

「パラリーガル(paralegal)」をご存知ですか?

最近ではテレビドラマに登場する機会も増え「パラリーガル」という仕事があるのを聞いたことがある、何となく知っているという方も多いでしょう。

簡単にいえば、パラリーガルは弁護士をサポートする専門職で、事務スタッフの一種です。

今まで単純な事務仕事に携わっていた方でもパラリーガルのスキルを身につければ、法律事務所で重宝されて専門業務に関わることが可能となります。

この記事では、10年の弁護士経験があり、実際にパラリーガルと一緒に仕事をした経験のある元弁護士が、
「パラリーガルとは何か?」
「どんなパラリーガル人材が弁護士に好まれるのか?」
「パラリーガルの将来性やメリット、年収はどうなっているの?」
など、気になることを徹底的に解説します。

今の仕事に飽き足らない方、今後スキルアップしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

パラリーガルとは

パラリーガルとは

パラリーガルとは、弁護士の指示・監督のもとで法律に関する事務を行い、弁護士の業務をサポートする専門アシスタントです

専門的な知識とスキルを持った法律事務職員」と考えるとわかりやすいでしょう。

法律事務所では、弁護士とパラリーガルがペアになって裁判や示談交渉などの法律業務を進めていきます。有能なパラリーガルがつくと弁護士の業務効率が飛躍的にアップするので、弁護士から強く要望されます。

「何か専門的な知識やスキルを身に付けたい」方にはうってつけの仕事といえるでしょう。

日本ではパラリーガルの歴史が浅い

パラリーガルは、もともとはアメリカで生まれた職業。

英語で「~の側に」「補助的な」という意味の「para」と「法律」を意味する「legal」が一つになってできた言葉です。

アメリカでは大学や専門学校などもできて専門的に養成される環境が整っています。
現在では、その流れを受けて日本でも徐々に浸透しつつある状況です。

実は日本において、パラリーガルの歴史は長くありません。
この仕事が認知されてきたのは、ここ10年の間でしょう。

特に年配の弁護士は「パラリーガル」についてほとんど知らない、あるいは意識していないことも珍しくありません。

こういった状況から現在の日本では、パラリーガルと一般の事務職を区別せずに法律事務所で働くスタッフ全体を「法律事務職員」ということがあります。

しかしアメリカの例をみてもわかるとおり、本来パラリーガルは単なる事務職とは区別されます。法律の知識や専門スキルがないと「パラリーガル」とは呼べません。

今後は日本でもパラリーガルの概念が広がっていき、一般の法律事務職員との区別も明確になってくるでしょう。

それにつれてパラリーガルの活躍の場も増えていくものと予想されます。

パラリーガルは弁護士に欠かせないパートナー

弁護士にとって、法律事務職員は仕事をスムーズに進めるために欠かせない非常に重要なパートナー。
事務職員のスキルが低いと弁護士の仕事がとたんに滞ってしまいます。

一方で、スキルの高いパラリーガルが補佐してくれると、弁護士の仕事が非常にスムーズに。
有能なパラリーガルは、全国どこの事務所でも重宝されます。

看護師に近い職業?

看護師といえば、いうまでもなく医療のスペシャリストで、医師をサポートする代表的なお仕事。
一方、パラリーガルは法律事務のスペシャリストで、弁護士をサポートするお仕事です。

医療と司法の世界で違いはあれど、両者は共通する部分が多いことから、パラリーガルの仕事を説明するときには、よく看護師にたとええられます。

ただ看護師とパラリーガルには違いもあります。

看護師は国家資格であり、看護師になるためには看護学校を卒業しなければなりません。
多くの時間と費用がかかるでしょう。

パラリーガルをみると、国家資格ではないので誰でもなれます。
なるまでの費用や時間もかかりません。

法律事務所に入れば、あとは経験と自分の努力次第で、どんどんスキルや収入を積み上げらていけます。

この意味で、パラリーガルは看護師よりハードルが低いのに同じように価値の高い専門職といえるでしょう。

パラリーガルになるために特殊な経験や資格は不要

パラリーガルになるために法学部を出ている必要はありません。
また、日本ではパラリーガルの国家資格などもまだ存在しません。

難しい法律知識がなくてもパラリーガルとして活躍している方がたくさんおられます。
いわばパラリーガルは「誰にでもチャレンジできる仕事」といえるでしょう。

少しでも関心があるなら目指してみる価値があります。

なお,民間資格としては、「パラリーガル資格」はあります。
「一般社団法人日本リーガルアシスタント協会(JLAA)」認定パラリーガル資格!≫

 

パラリーガルの将来性

パラリーガルの将来性

パラリーガルの仕事に将来性はあるのでしょうか?

法律事務所の増加とともにパラリーガルの需要も高まる

昨今では司法制度改革によって弁護士の数が増加したため、当然法律事務所の数も増えています。

また法律事務所の法人化が認められたこと、弁護士報酬の自由化、広告解禁などの影響で、弁護士業界にも一般企業と同様の市場原理が導入されつつあります。

一般の市民にリーズナブルで利用しやすく、より質の高い法的サービスを提供することが、これからの法律事務所(弁護士)業界に求められるでしょう。

このような中、注目されているのが高い法律事務スキルを持った優秀なパラリーガルの存在です。

秘書業務や一般事務ならできる法律事務職員は沢山いますが、高い法律事務スキルを持った経験豊富なパラリーガルはまだまだ少数です。

今、法律事務所の間では、高いスキルを持ったパラリーガルの取り合いとなっているのです。

弁護士の業務が多様化し、弁護士の活躍の場が多方面に広がる中、パラリーガルの必要性は今後益々高まっていくでしょう。

企業内ではたらくパラリーガルも急増

パラリーガルの活躍の場は、法律事務所だけではありません。

ここ数年、企業の中で働く弁護士の増加やコンプライアンスに対する意識の高まりにより、法律知識やリーガルスキルを持つ人材を求める企業が急増しています。

パラリーガルは、法律事務所のみならず、企業の法務部などでも幅広くその活躍が期待されています。

パラリーガルは法律事務所からも求められ、企業でも重宝される貴重な存在であり、高い将来性があることは明らかです。

ただし求められる人材になるには、自分に付加価値を付けなければなりません。
パラリーガルとしての努力研鑽が必須となるでしょう。

最初は誰でも初心者です。
日々の勉強と努力により、徐々にステップアップしていきましょう。

 

パラリーガルの仕事内容

誰にでもできるお仕事ですパラリーガルの仕事内容は、主に2種類に分類されます。

1つは弁護士の秘書や一般事務としての単純な業務。
もう1つは法律に関する専門業務です。

以下で、それぞれについてみていきましょう。

秘書や一般事務

秘書業務は、一般的な事務仕事です。
特に法律の知識がなくても対応できるので、パラリーガル以外の一般法律事務職員が行っている事務所も多数です。

法律事務所に就職したばかりで、パラリーガルになる前の段階でもできる仕事と考えましょう。

  • 電話や来客の応対
  • 弁護士のスケジュール管理
  • 郵便物の処理
  • 証拠書類等の裁判書類の準備と提出
  • 戸籍謄本や住民票、不動産登記簿謄本等の請求
  • 記録の管理
  • 経理や給与計算
  • 裁判所、法務局、市区町村役場、弁護士会などへの外回り


法律事務職員が一般企業の事務職と異なるのは、裁判書面の準備や提出、戸籍謄本や登記簿謄本の取得業務などの仕事があることです。

難しくはないので、法律事務所に就職して弁護士や先輩事務職員に教えてもらい、こなしていきましょう。

パラリーガルの専門業務

以下のような仕事はパラリーガルならではの業務です。
一般法律事務職員とは区別されると考えましょう。

  • 法律資料、文献、論文の収集、判例調査
    弁護士が業務を進めるに際して必要となる判例、法律書や論文、データなど、各種資料を収集し、調べて弁護士へ報告します。

  • 法律相談の準備としての聞き取り
    弁護士が法律相談に入る前に、パラリーガルが依頼者と対面して概要をまとめます。氏名や住所などの基本的な情報はもちろんのこと、必要な範囲内で家族構成や相談内容の概要を記録にとって簡潔にまとめるケースもあります。


  • 議事録の作成
    パラリーガルは、弁護士が行う法律相談や依頼者・顧問企業との打ち合わせに同席するケースも少なくありません。相談内容や打ち合わせ内容を記録にとり、議事録にまとめて後日、参照できるように用意しておきます。


  • 裁判書類の作成補佐
    訴状や準備書面、証拠申出書、陳述書などの裁判所に提出する書面のドラフトを作成します。期日請書などの事務的な書面はパラリーガルが作成して裁判所へ提出します。


  • 裁判所とのやりとり
    裁判所との期日調整や進行についての連絡などは、パラリーガルが進めます。有能なパラリーガルは弁護士の予定を把握して調整を進めるので、弁護士の仕事が非常にやりやすくなります。


  • 裁判所への同行
    裁判所で行われる弁論や弁論準備、破産審尋や免責審尋、債権者集会などの手続きに同行し、必要に応じて傍聴席などでメモをとるケースもあります。


  • 債務整理等における相手方業者との交渉補佐
    借金整理に関する事件では、特にパラリーガルの存在感が大きくなります。弁護士の指示・監督のもと、相手方業者(債権者)と電話で交渉をしたり、和解契約書のドラフト(下書き)を行ったりします。

なお債務整理業務では、弁護士があまりに事務職員に事件を丸投げしすぎると「弁護士法違反」となってしまうおそれがあります。

パラリーガルと弁護士の業務分担が重要になってくるので、きちんとわきまえている法律事務所を選んで就職することが重要です。

パラリーガルになるにはまず「一般事務」から

多くの方は、いきなり「パラリーガル」として就職するわけではありません。

まずは一般事務職として法律事務所に入所し、「秘書業務」や「一般事務業務」を覚えます。

徐々にキャリアアップを図る中で「パラリーガル業務」に業務範囲を広げていくのが、一般的な流れです。

パラリーガルは、一見難しそうに思われるかもしれませんが、実は誰にでもチャレンジできるお仕事です。

当初は難しい法律知識もまったく不要。

これまで一度も法律を学んだことのない方でも、スキルと経験を積んで研鑽すれば、弁護士から頼られるパラリーガルになれます。

 

パラリーガルの5つの魅力

日本でパラリーガルが注目されるようになってきたのは、ここ10年ほどです。
なぜ今、パラリーガルが世間から熱い視線を浴びるようになったのでしょうか?

パラリーガルの魅力をみていきましょう。

  • 転職に強い
  • 不況に強い
  • ワークライフバランスを実現しやすい
  • 社会貢献度が高く、やりがいがある
  • 生涯できる仕事

以下、順に解説していきます。

魅力1:パラリーガルは転職に強い

転職に強い

全国どこでも即戦力になれる

パラリーガルのスキルは、全国の法律事務所で共通です。
裁判手続きの流れやルール、各種事件の処理手順は基本的に同じだからです。

裁判所や各関係機関とやり取りする各書面も、その多くが定型書式となっています。

いったんパラリーガルとしてのスキルを身に付ければ、どこの法律事務所でも「即戦力」として働けるので、法律事務所からは重宝されます。

したがって、転職が容易な職業といえます。

生涯にわたってスキルを高められる

法律事務所で扱う事件は、民事事件・刑事事件・行政事件と多岐にわたります。

民事事件一つとっても、貸金トラブル、離婚・相続、交通事故、労働トラブル、不動産トラブ、企業業務etc・・・と様々です。

それぞれの事件において、事務手続きの流れや必要書類が違ってきます。
これら一つひとつ積み上げられた知識こそが、パラリーガルのスキルであり財産です。

10年以上キャリアがあるパラリーガルであっても、日々の業務の中で学ぶべきことは日々たくさん出てきます。

高いスキルを身に付ければ弁護士事務所からも要望され、高額な収入を見込めるでしょう。
実際、パラリーガルの求人で「実務経験者歓迎」「実務経験者優遇」という記載が多くみられます。

パラリーガルを続けている限りスキルアップし続けられる点も、大きな魅力といえます。

企業の法務部での需要が高まっている

近年、法律事務所のみならず、企業の法務部などでも非常にパラリーガルへの需要が高まっています。

企業のグローバル化に伴い、大手企業をはじめ多くの企業がコンプライアンスを重視する中、各企業で法務部の人員を強化しているためです。

通常、各企業の一般従業員は法的な知識を持っておらず、法務部等に異動させても即戦力になりません。

一から法務の勉強をさせるのも非効率です。
また、多くの従業員は、その企業の本来の業務と関係のない法務の仕事に就きたがりません。

そこで、多くの企業は法務の仕事については、経験やスキルを持った人材を外から中途採用しているのが現状です。

ここで重宝されるのが法律事務スキルを持ったパラリーガル経験者。
彼らは裁判手続や各種事務手続及びそれに付随する必要書類に関する知識があるため即戦力になります。

多くの企業には顧問弁護士がついていますが、法律事務所に勤めていたパラリーガル経験者であれば弁護士とのやり取りもスムーズにでき、業務を効率的かつ円滑に進めることができます。

このような理由により、今、多くの企業でもパラリーガルスキルを持った人材が求められています。

以上のような事情により、パラリーガルは非常に転職しやすい職業といえます。

魅力2:パラリーガルは不況に強い

弁護士(法律事務所)の業務は、景気の影響を受けにくいと言われています。

バブル崩壊やリーマンショックのときでも、法律事務所の経営が厳しくなったという話はほとんど聞きません。

世の中が不景気になるとリストラや企業の倒産が相次ぎ、企業や個人の破産・再生手続の依頼が増えます。

一方、景気が良くなると、企業との顧問契約や契約書作成、ビジネスアイデアへの法務チェックやリーガルサポートなど、企業法務の案件が多くなります。

弁護士業務は、どういった社会情勢下にあっても「そのときの需要」があるので、相談の種類は違っても仕事自体がなくなることはありません

法律事務所の経営が安定しているため、そこではたらくパラリーガルの仕事も自然と不況に強くなります。

特に債務整理事務ではパラリーガルによる補助が不可欠なので、不景気になって破産再生案件が増えると、パラリーガルを求める法律事務所が増加する可能性も十分にあります。

魅力3:ワークライフバランスを実現しやすい

パラリーガルを含む法律事務所のスタッフは、約8割が女性です。
こういった事情から、女性にとって働きやすい環境の法律事務所が比較的多い状況といえるでしょう。

結婚、出産、育児、介護。
これからの時代、プライベートと仕事のバランスをどのようにとっていくかは、人生における重要な課題です。

パラリーガルが持つスキルは専門的なので、年齢に関係なく、その時の環境に合わせて、好きな雇用形態(正社員・派遣・契約・アルバイト)を選択して働けます。

  • 独身のときは、バリバリ仕事してどんどんキャリアを積みたい
  • 出産して暫くの間は、育児にウェイトをおいて、派遣やパートとして時短で働きたい
  • 子どもから手が離れたら、これまで培ったパラリーガルスキルを活かし、再び正社員として更なるキャリアアップを図りたい

こういった希望を実現しやすいのもパラリーガルの魅力となるでしょう

魅力4:パラリーガルは社会貢献度が高く、やりがいを持って働ける

社会貢献度が高い

パラリーガルの仕事は社会貢献度が高いところも大きな魅力の1つです。

弁護士法により、弁護士の使命は「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」こととされています(弁護士法第1条第1項)。

その弁護士をサポートするのがパラリーガルの仕事であり、パラリーガルの業務の目的や目指すべき方向性は弁護士と全く同じといえます。

つまりパラリーガルは、弁護士同様、依頼者の権利・自由・財産・生命を守り、社会正義のために仕事を行うのです。

実際、法律事務所には、離婚や借金、交通事故や相続トラブルなど、日々、人生に関わる重大な法律問題を抱えた方が数多く訪ねてきます。

藁をも掴む思いで来られた方々の問題を解決するため、弁護士とパラリーガルは二人三脚でベストな解決を目指します。

困っている人を笑顔にするのが、パラリーガルの醍醐味といえるでしょう。

単調なルーティーンワークとは異なり、緊張感とやりがいと感じられて、充実した仕事人生を送れるのがパラリーガルの大きな魅力。

実際、多くのパラリーガルが仕事に対するやりがいと誇りを実感しながら日々の業務に携わっています。

魅力5:パラリーガルは生涯続けられる

パラリーガルが関わる裁判所の運用や判例は日々刷新されますし、法律も毎年改正されます。

パラリーガルのスキルは、知識と経験の積み重ねであるため、多くの知識と経験を持ったスキルの高いパラリーガルは、業界の中でも貴重な存在です。

高齢であってもスキルの高い持ったパラリーガルであれば、弁護士から「ぜひサポートして欲しい」と要望されるでしょう。

実際、特に小規模事務所では、60代のパラリーガルも沢山いますし、70代のパラリーガルも決して珍しくありません。

人生100年時代といわれ、年金の受給年齢も引き上げられる中、生涯ずっと働き続けることのできる点はパラリーガルの大きな魅力の一つです。

 

パラリーガルの収入はどのくらい?パターン別相場を解説

「パラリーガルになろうかな?」と迷ったときに気になるのが収入関係。
パラリーガルになったらどのくらい稼げるのでしょうか?

パラリーガルの給料はスキルや所属事務所によって大きく異なる

年収は千差万別

パラリーガルの収入は、所属事務所や職務内容に応じて大きく異なります。

たとえば、M&A等の渉外案件や知的財産案件を多く扱う大手法律事務所で働くパラリーガルの場合、高度なスキルが求められるため、年収の相場は500万円〜600万円程度に。

TOEICの成績が良い、英文の契約書を理解できるなど、高い語学力や法律知識を有している場合には、年収800万円以上となる人もおられます。

一方で、国内の法律事務所の約9割は小規模・中規模の法律事務所です。

離婚・相続といった家事事件や交通事故、労働問題、破産・債務整理や企業法務まで広く一般民事事件を扱います。

こうした小規模・中規模の法律事務所で働くパラーガルの年収相場は300万円〜550万円程度になります。

ただしスキルの高いパラリーガルは年収も高くなり、近年では年600万円以上の給与を出す法律事務所もあります。

このようにパラリーガルの年収は、法律事務所の規模や職務内容、スキル等によって変わります。

なお、秘書業務や一般事務しかできない一般の法律事務職員の場合、年収は300万円~400万円程度となるでしょう。
法律事務をメインで行うパラリーガルよりも低収入となります。

収入アップを希望するなら、専門スキルを身に付けてパラリーガルを目指しましょう。

非正規?正社員?雇用形態によって異なるパラリーガルの収入

パラリーガルの収入は「雇用形態」によっても大きく異なります。

パートやアルバイトなどの非正規雇用の場合、時給1000~1500円程度。
派遣や契約社員の場合、月収18万円〜20万円くらいとなるケースが多いでしょう。

ただし大手の渉外事務所の場合には高度なスキルが求められるので、アルバイトでも2000円程度もらえることもあります。

もともとは契約社員やアルバイトであっても、スキルアップして重宝されると正社員へ転換してもらえるケースも少なくありません。
そうなれば、収入は大幅にアップするでしょう。

パラリーガルの年収は、どうすれば上がるのか

パラリーガルの収入は人によって大きく異なるので、できれば増額していきたいところですね。
では、収入アップを目指すにはどうすれば良いのでしょうか?

重要なのはスキルアップと情報収集。

当然、高いスキルがあれば高い給料を払ってもらいやすくなります。
たとえば倒産法務(破産や民事再生)をこなせる知識とスキルがあれば、希少価値があるので、倒産案件の多い法律事務所において好条件で雇ってもらえるでしょう。

またどんな就職先があるのか、どういった事務所で給料が良いのかといった情報集めも重要です。

常にアンテナを立ててネットで情報を集めたり、転職エージェントに相談をしたりパラリーガル仲間で情報交換したりして、できるだけ良い条件の事務所を探しましょう。

例えば、もともと年収350万円のパラリーガルでも、情報を集めて経営が安定している企業法務系の事務所へ転職すれば、年収が550万~600万円程度に上がるケースもあります。

パラリーガルの平均年収(年齢・男女・地域別)については、こちらで詳しく解説しています。
パラリーガルの平均年収は260〜450万円|実データから詳しく解説!≫

 

パラリーガルの資格を取得すべきか?

日本ではパラリーガルの「国家資格」はありませんが、
民間資格として「一般社団法人日本リーガルアシスタント協会」が実施している認定資格があります。

こちらのパラリーガル資格は3段階となっていて、個々のレベルに合わせて取得できます。

法律事務所での実務経験が無くても受験できるので、関心があれば勉強してみてください。

資格の種類

  • エレメンタリー・パラリーガル(初級)
  • インターメディエイト・パラリーガル(中級)
  • アドバンスド・パラリーガル(上級)

パラリーガル資格種類

【パラリーガル資格取得者  5つの強み】

  1. 単なる事務職員に留まらず、法律事務スキルを客観的に証明できる
  2. 実務経験が無くても、法律事務の基礎知識を備えていることが証明され、未経験者と差別化できる
  3. パラリーガルスキルを証明できると、全国の法律事務所で就職しやすくなる
  4. 企業の法務部に転職するときにも、スキルを客観的に証明してアピールできる
  5. スキルがある人材には教育が不要で負担を軽減できるので、採用側からしても採用しやすい
パラリーガルの資格については、こちらで詳しく解説しています。
法律事務所や企業の法務部などへの就職・転職に強い!国内唯一の「パラリーガル認定資格制度」
 

パラリーガルになる方法

パラリーガルになるには、具体的にどうすれば良いのかみていきましょう。

まずは法律事務所へ就職

法律の知識やスキルのない方の場合、まずは一般事務職員として、法律事務所へ就職しましょう。

未経験者で法律の勉強をしたことがない方でも全く問題ありません。

秘書業務や一般事務業務から覚えて、そこから少しずつ法律事務スキルを上げてパラリーガルになっていくのが一般的なルートです。

パラリーガルとしてのスキルを身につける

法律事務所に入ったとしてもパラリーガルスキルは自動的に身につきません。

未経験の方が法律事務所に就職した場合、自然に身につくのは秘書や一般事務、簡単な法律事務の知識のみです。

パラリーガルとしての付加価値をつけるには、自分で勉強をしてステップアップする必要があります。

法律事務の知識を身につけ、パラリーガルを上げて行くためには、以下の3つの方法があります。

  • 独学
  • 研修(弁護士会等)
  • 専門スクール等の講座

以下で、それぞれのメリットとデメリットをみてみましょう。

独学でパラリーガルスキルを身につける方法

<メリット>

  • 費用が安い

<デメリット>

  • 何から勉強すればよいのかがわからない
  • 一般的に法律書の参考書籍は難しいので理解に時間がかかる
  • 勉強している方向性や理解が間違っていても気が付かない
  • 効率が悪く、いつまで経ってもパラリーガルとして働けないリスクが高まる

 

研修等(弁護士会等)でパラリーガルスキルを身につける方法

<メリット>

  • 基本的に費用がかからない
  • 実務に必要な知識に絞って学べる
  • 講師が実務に精通したパラリーガルや弁護士

<デメリット>

  • 参加者のレベルがまちまちのため、自分のレベルに合わないことがある
  • 基礎知識がある前提で講義されることが多いため、初心者には難しい
  • 自分が学びたい内容のテーマが無いことも多い
  • 法律事務所で勤務している者しか受講できない
  • 開催頻度が少ない
  • 弁護士会の研修のみでパラリーガルに充分なスキルを身に付けるのは難しい


専門スクール等の講座でパラリーガルスキルを身につける方法

<メリット>

  • 学ぶべき必要な知識の範囲を示してくれる
  • 勉強する優先順位が明確にわかり、無駄な勉強をしなくてすむ
  • 通学クラスや通信クラスで、自分に合った勉強方法を選べる
  • 短期間で効率よく基礎知識を身につけられる
  • 自分のレベルに合せて段階的に学習できる
  • わからない部分について直ぐに質問できる
  • 講師が実務に精通したパラリーガルや弁護士
  • 就職のサポートも受けられる
  • 早くパラリーガルになりたい場合には一番の近道になる

<デメリット>

  • 費用がかかる

専門学校に通うのが一番の近道

確かに独学や弁護士会の研修を受けるだけなら、あまり費用はかかりません。

ただ間違った方向へ進んでしまう可能性がありますし、長期間がかかって「いつまでもパラリーガルになれない」結果にもつながります。

独学すると「実務で必要な基礎知識」の選定が難しく、勉強する方向性を間違ったり遠回りをしてしまったりして、どうしても効率は悪くなります。

努力の方向が間違っていると、人生の貴重な時間の無駄になるでしょう。

最短で確実にパラリーガルになりたいなら、多少は費用を払っても専門スクールに通う方が良いと考えられます。

金額は概ね20万円程度(初級コース)。
これを高いと感じるか、約1カ月分の給与で元をとれると考えるのか、個々の価値観で判断してください。

なお、ロースクール卒業者、司法試験択一合格者、司法書士合格者などの方であれば、実務経験がなくても市販の参考書で十分理解できるでしょう。

また、法律事務所に就職した後、弁護士会等が主催する研修会には積極的に参加することをお勧めします。
その時代、その地域の裁判所や弁護士会で必要とされているスキルを効率よく獲得できるためです。

 

パラリーガルとしてベストな法律事務所に就職する方法

効率良く法律事務所に就職する

ひと言で法律事務所といっても、取扱事件や職種(ポジション)によって、求められるものが異なります。

自分の職歴やスキル、応募先事務所の規模によって、入りやすい事務所(向いている事務所)も違ってくるでしょう。

実際に、正しい就活方法がわからず無駄に時間が掛かってしまったり、自分に合わない法律事務所に入ってしまったりするケースも少なくありません。

自分にとってベストな法律事務所へ就職するため、以下の点に着目しましょう。

  1. しっかり情報収集する
  2. 法律事務所から求められる「応募書類」を準備する
  3. 事務所の特色や求められる人材をチェックする
  4. 雇用条件を確認する
  5. 未経験者は入所前に法律事務の基礎を勉強しておく

以下、それぞれ解説します。

しっかり情報収集する

まずは情報収集が重要です。
どんな仕事があるのか、どの程度の収入を得られるのか。
ネット上で色々と調べられるので、時間をかけてじっくり情報を整理しましょう。

  • 基本的なパラリーガルの業務内容
  • 大規模事務所と小規模事務所の違い
  • 弁護士がパラリーガルに求めること
  • 弁護士やパラリーガルがこらからの社会で果たすべき役割

特に以上のような点については確認しておきましょう。

法律事務所から求められる「応募書類」を準備する

履歴書や職務経歴書、志望理由書といった応募書類は極めて重要です。
これで採否が決まると言っても過言ではありません。

AG法律アカデミーで添削を受けて、応募書類を「法律事務所に適した形式と内容」にした人と、そうでない人とでは、採用率に2.3倍の差が出ています。

「文法上おかしな所はないか」
「読みにくい文章になっていないか」
といった点は、法律事務所では特に重要です。

それに足して、自分のアピールポイントもしっかり書きましょう。

一般企業と同じ感覚で応募書類を作成するのはNG

応募書類

法律事務所へ提出する履歴書や職務経歴書等の応募書類は、一般企業へ応募するときと同じように作成してはいけません。

一般企業と法律事務所とでは、求められるスキルや人材が異なるためです。

例えば、リーダーシップを発揮できる人や創造力豊かな人、クリエイティブな発想ができる人は、一般企業からすれば非常に魅力的な人材でしょう。

しかし法律事務所の場合、これらは逆効果となることも少なくありません。

法律事務の仕事において、基本的に創造力やクリエイティブな発想は不要だからです。
それよりも、正確な事務処理能力やサポート力といった能力の方が、法律事務の仕事でははるかに重要。

相手が求めるものではない独りよがりなアピールをしても、当然良い結果はでません。
まずは業界やパラリーガルという仕事をきちんと理解することからはじめましょう。

当社でも「法律事務所へ応募する際の志望動機の書き方がわからない」という質問を多く頂き、日々アドバイスや指導をしております。

高評価が付く効果的な志望動機を作成したいという場合には、こちらを参考にしてください。
パラリーガルの志望動機で90%書類通過させるために実践すべき5つの手順
 

事務所の特色や求められる人材をチェックする

事務所の特色、それぞれにおいて求められる人材についての情報も大切です。
これらについて、自分で調べてもわからない点は、転職エージェントを利用しましょう。

エージェントは、離職率が高い事務所や過去にパワハラ等でトラブルになった事務所についても情報を持っていることがあります。

なお、弁護士会から過去に懲戒処分を受けている弁護士の事務所は、避けるのが無難です。
懲戒処分を受けている弁護士は、こちらで調べられるので、参照してみてください。

弁護士懲戒処分検索センター

雇用条件を確認する

パラリーガルとして就職するとき、雇用条件はもっともといって良いほど重要です。
定時や休憩、給与体系、昇給、有給や各種休暇制度、退職金制度など、事前にしっかり確認しましょう。

ボーナスや福利厚生も忘れてはなりません。
ボーナスはある事務所とない事務所がありますし、計算方法も異なるので、事前に弁護士ときっちり取り決めておきましょう。

福利厚生に関しては、産休・育休取得した後、職場復帰しやすい制度や、再就職しやすい制度を設けていたりする事務所もあります。

特に女性はライフスタイルの変化に伴い働き方も変わるため、結婚・出産の際に給料がどうなるのか、福利厚生も含めしっかり確認しておきましょう。

未経験者は入所前に法律事務の基礎を勉強しておく

パラリーガルの需要が高まっている中、法律事務所への就職・転職を希望する人が急激に増えています。
未経験者にとっては、一昔よりも競争率が高くなってきています。

実務の基礎スキルを強くアピールし、希望する法律事務所からしっかり内定を取るためには、入所前(就職活動を始める前)までに一通りの勉強を終えておくべきです。

しっかり勉強しておきましょう。

 

「弁護士に求められるパラリーガル」になろう

パラリーガルとして活躍するには「弁護士に求められる人材」になることが極めて重要です。

以下のような姿勢を身に付けましょう。

学ぶ姿勢

まずは「常日頃から、積極的に学ぼうとする姿勢」が大切です。

パラリーガルにとって、毎日の業務が勉強です。弁護士の好みにも合わせなければなりません。

弁護士からいわれたことをこなすのはもちろんのこと、自分で創意工夫をしましょう。弁護士に積極的な提案ができるようになると、弁護士から頼りにされるようになります。

「このパラリーガルに任せておけば安心」と思われるような人材になれば、全国どこへ行っても通用するでしょう。

コミュニケーション力

パラリーガルにとってコミュニケーション力は命。

弁護士と依頼者、弁護士と裁判所、弁護士と相手方弁護士や相手方本人を「つなぐ」仕事だからです。

電話対応、書面やメールでのやりとりなど、スムーズに進められるスキルを身につけてください。

配慮ができること

パラリーガルにとって「配慮」できることが非常に重要です。

弁護士は忙しすぎるので、個別の依頼者へ丁寧な配慮ができないケースが少なくありません。

そんなとき、パラリーガルが適切に補佐できれば、弁護士業務を円滑に進められるでしょう。

弁護士が今何を望んでいるのか、何をしてほしいと思っているかを先回りして対応できれば、非常に頼りにされる存在になれます。

 

パラリーガルの就職サポート

「未経験での法律事務所への就職活動はどうすれば良いのか?」
「パラリーガルとして更に良い条件の事務所へ移るにはどうしたら良いのか?」
と不安になる方もおられるでしょう。

独学で法律事務職員になる場合、自分1人で就職先を探すしかありません。

AG法律アカデミーでは、以下のようなサポートをさせて頂いております。

  • 法律事務所の選定についてのアドバイス
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  • 「法律事務所でよく聞かれる質問」のデータをもとにした面接対策
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就職後のサポートも万全なので、ご興味がありましたらぜひお気軽にご相談ください。

パラリーガルは専門スキルを活かせるだけでなく、社会貢献度も高いやりがいあるお仕事です。

  • 毎日の単調な仕事にやりがいを感じられない
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上記のような方は是非,AG法律アカデミーの仲間と共に有能なパラリーガルを目指しましょう!

 

福谷陽子この記事の執筆者
福谷陽子

京都大学法学部卒。在学中に司法試験に合格し、2004年に弁護士登録。 その後、弁護士として約10年実務経験を積みライターへ転身。 現在は法律知識を活かしながら、著作権、男女問題、賃貸借契約や消費者問題、交通事故などさまざまな法律記事を執筆。

 

この記事の執筆者
福谷陽子 福谷陽子
京都大学法学部卒。在学中に司法試験に合格し、2004年に弁護士登録。
その後、弁護士として約10年実務経験を積みライターへ転身。 現在は法律知識を活かしながら、著作権、男女問題、賃貸借契約や消費者問題、交通事故などさまざまな法律記事を執筆。