事務職におすすめの人気の資格ランキング10選!実務に役立つ資格を厳選

事務職への転職おすすめ資格8選

事務職への転職では資格を取得することで有利になることができます。

その理由は以下の3点です。

・事務職に関する知識やスキルがあることを客観的にアピールできる
・仕事に対するモチベーションの高さをアピールできる
・未経験でも資格を取得すると採用されやすくなる

しかし、ただ闇雲に資格を取得すれば良い訳ではありません。

事務職で必要になるスキルや知識があることを証明できるような資格を取得しなければ、企業から魅力的な人材であると判断されることはないのです。

そこで本記事では、事務職の実務に役立つおすすめの資格をランキング形式でご紹介します。

 

 

事務職におすすめの人気資格ランキング10選

事務職への転職を目指すに当たって資格取得をするなら、業務に活かせるものを取る必要があります。しかし実際のところ「資格の種類が多すぎて、どれを選んだらいいのかわからない」という方も多いでしょう。

ここではまず、「これは間違いない!」という実用的なおすすめの資格を10個、ランキング形式でご紹介します。

▼ランキングの評価ロジック(クリックで開きます)

このランキングは、以下の3階層の考え方に基づき作成されています。
第1階層(1位~4位):【必須レベル】事務職の基盤となるコアスキル多くの企業で「できて当たり前」と見なされる、あるいは持っていると即戦力として高く評価される基本的なスキルを証明する資格です。どの分野の事務職を目指す上でも、まず取得を検討したい資格群です。
第2階層(5位~7位):【付加価値】現代のビジネス環境に適応する応用スキル必須とまでは言えないものの、IT化やグローバル化が進む現代のビジネスシーンにおいて、対応力の高さを示せる資格です。他の応募者と差をつけ、自身の市場価値を高めることができます。
第3階層(8位~10位):【専門特化】特定の分野でプロフェッショナルを目指す専門スキル特定の職種や業務に特化した高度な専門知識を証明する資格です。汎用性は低いものの、その分野でのキャリアを追求するならば非常に強力な武器となり、キャリアアップに直結します。

汎用性(Universality):業種・職種を問わず評価されるか(転職・異動でも活かせるか)50点
実務有用性(Practical Utility):日常業務における具体的なスキル習得度(Excel、会計、文書、法律など)50点
合計100点満点で評価。

客観性を担保するため、以下の3つの要素で補正を行います。
AI・DX時代の適応度(+最大10点)
資格取得の難易度(-最大10点)
資格の更新コストや維持負担(-最大5点)

 

【1位】MOS

MOS

出典:マイクロソフトオフィススペシャリスト公式HP(https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html)

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、Word、Excel、PowerPointといったマイクロソフト オフィス製品の利用スキルを証明する国際資格です。試験はバージョンごとに実施され(例:Microsoft 365 Apps)、科目ごとに独立しています。

一般レベル(スペシャリスト)と上級レベル(エキスパート)があり、実技形式の試験でPCを操作して解答します。多くの企業で導入されているOffice製品の実践的なスキルを客観的に証明できるため、事務職を目指す上で非常に知名度と実用性が高い資格です。単に「PCが使える」という曖昧な自己申告ではなく、具体的なスキルレベルを提示できる点が特徴です。

MOSを取得するメリット

MOSを取得するメリットは、入社後も問題なく業務に適応していけることをアピールできる点です。その理由は事務職では事務処理が中心となり、WordやExcelを使用する機会が多いためです。

例えばWordなら、事務職では以下のような文書作成が多い傾向にあります。

  • 送付状作成
  • チラシ作成
  • 案内状作成
  • 宛名作成

またExcelでは、以下のような内容を図や表を使って作成することが頻繁にあります。

  • 勤怠入力
  • 顧客管理
  • 顧客データ作成
  • 発注書、請求書作成
  • 売上管理
  • 仕分け入力

MOSを保有することで、WordやExcelのスキルを客観的に証明でき、即戦力として上記のような仕事ができるというアピールになるため、必ず取得しておきたい資格と言えるでしょう。

MOS資格の難易度

難易度は比較的低いとされています。合格率は公式には発表されていませんが、一般レベル(スペシャリスト)で約80%、上級レベル(エキスパート)で約60%程度と言われています

PC操作に慣れている人であれば、市販のテキストや問題集を使い、1ヶ月程度の独学でも十分に合格を目指せます。PC初心者の方でも、パソコンスクールなどを活用すれば無理なく取得が可能です。

実用性が高く、費用対効果に優れた「最初の一歩」として非常におすすめの資格です。上記のスキルをMOS保有によってアピールできれば、事務職未経験でも転職の可能性は広がります。
取得していない方は、受験を検討してみましょう。

【2位】日商簿記2級

出典:商工会議所の検定試験 公式HP(https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping)

日商簿記検定は、企業の経営活動を記録・計算・整理し、経営成績と財政状態を明らかにする技能を測る検定試験です。

日本商工会議所が主催しており、知名度・信頼性ともに非常に高い資格です。級は初級、3級、2級、1級と分かれており、事務職としてはまず3級の取得が推奨されます。3級では商業簿記の基礎を学び、経理関連書類の読み方や基本的な帳簿の付け方を理解できるようになります。

さらにステップアップを目指すなら、株式会社の会計処理や工業簿記も範囲に含まれる2級を取得すると、より専門的な知識を持つ人材として評価されます。

経理事務への転職における日商簿記取得のメリット

経理事務への転職において日商簿記の取得は、特に実務経験がない方に大きなメリットがあります。それは、日商簿記資格を取得することで自身のポテンシャルをアピールでき、経験をカバーできる点です。

経理事務の採用では、どうしても実務経験者が優先される傾向があります。しかし近年の人材不足の影響により、「日商簿記2級以上を取得していれば未経験者でも採用したい」と考える企業が増えてきているのです。

ちなみに日商簿記2級以上の保有を求める企業が多いのは、実務レベルの知識が含まれる2級以上が実際に企業で役立つスキルであると考えられているためです。

まずは日商簿記2級を取得することで、経理の実務未経験者であっても採用される可能性がアップするため、資格取得は経理事務への転職において大きなメリットなのです。

日商簿記2級難易度

3級の合格率は40%~50%程度で、簿記の初学者でも100時間程度の学習で合格が目指せると言われています。市販のテキストも充実しており、独学での取得も十分可能です。

一方、2級になると工業簿記が加わり、内容もより専門的になるため、合格率は20%前後に下がります。独学の場合は200~300時間程度の学習が必要とされ、計画的な学習が求められます。

まずは3級で基礎を固め、実務経験を積みながら2級を目指すのが現実的なステップアップと言えるでしょう。

【3位】秘書検定

秘書検定

出典:秘書検定公式HP(https://jitsumu-kentei.jp/HS/index)

秘書検定(秘書技能検定試験)は、公益財団法人実務技能検定協会が実施する、社会人として備えておくべきビジネスマナーや一般常識、実務処理能力を証明するための検定です。

名称に「秘書」とありますが、秘書だけを対象とした資格ではなく、電話応対、来客対応、文書作成、スケジュール管理といった、あらゆる職種で求められる対人スキルと事務処理能力が問われます。

試験は3級、2級、準1級、1級の4段階に分かれており、準1級と1級には筆記試験に加えて面接試験も課されます。社会人としての基礎力を体系的に学べるため、学生や新社会人にも人気の高い資格です。

秘書検定を取得するメリット

秘書検定を取得するメリットは、ビジネスマナーが備わっており、気遣いができる人物であるとアピールできる点です。

秘書検定では、ビジネスシーンに適した文書やメールの作成、電話対応、上司や同僚に対する気遣いなどが求められます。

そのため秘書検定の保有は、社外への文書やメールの作成、来客や電話対応などの場面が多い事務職にとって必須の常識や対応力が備わっていると判断され、企業からの評価はプラスになるのです。

また、非常に知名度の高い資格であるため、秘書検定を保有していると書いておくだけでアピールになるというのもメリットと言えるでしょう。

ただし事務職で有利になるのは、秘書検定準1級以上です。 準1級からは面接が試験項目に入っているため、学んだマナーや対応を実戦でも活かす力が求められるためです。

したがって、準1級以上の秘書検定を取得していると、選考の際に有利に働くでしょう。

秘書検定の難易度

3級・2級は筆記試験のみで、合格率はそれぞれ約70%、約50%と比較的高く、挑戦しやすいレベルです。社会人経験がなくても、市販のテキストで1ヶ月~2ヶ月程度学習すれば合格を目指せます。

就職活動でアピールするなら、実務レベルとされる2級以上の取得がおすすめです。準1級になると合格率が約30%まで下がり、面接試験も加わるため難易度が上がりますが、その分、より高い対人スキルと対応力を証明できます。

【4位】日商PC検定

日商PC検定

出典:商工会議所の検定試験 公式HP(https://www.kentei.ne.jp/pc)

日商PC検定は日本商工会議所主催の資格です。

日商PC検定では、 ・短時間で適切なビジネス文書を作成する力 ・業務データを見て表やグラフを素早く作成し、様々な角度から分析する力 など、よりビジネスの現場に即した事務処理ができることを証明できます。

日商PC検定を取得するメリット

日商PC検定を取得するメリットは、即戦力になるというアピールをしやすいという点です。

事務職で即戦力になるには、限られた時間で間違いのない文書作成やグラフ・表の作成、その他WordやExcelを使用した定型業務などをスピーディにこなす能力が求められます。

日商PC検定を保有しているということは、そのような即戦力スキルがあることの証明になり、企業側から採用されやすくなるのです。

また日商PC検定取得で培ったスキルは、入社後上司に仕事を頼まれた際にも、その指示内容に的確に対応できる実務力が身についているので、「有能な社員だ」というプラスの評価を得ることも可能です。

日商PC検定の難易度

日商PC検定の難易度は、受験する級によって大きく異なりますが、全体的に見ると比較的合格しやすい検定と言えます。難易度はBasic(基礎級)から1級までの4段階に分かれており、級が上がるにつれて難易度が高くなります。

表:級ごとの難易度と合格率(2024年度実績)

受験者数 合格者数 合格率
1級 41名 18名 43.9%
2級 5,474名 3,767名 68.8%
3級 16,845名 13,941名 82.8%
基礎級 Basic 1,393名 1,126名 80.8%
合計 23,753名 18,852名

出典:2024年度日商PC検定試験 受験者・合格者数について(日本商工会議所)

MOSに比べると少し知名度は落ちますが、企業での書類選考や面接の際に、資格取得によって得たスキルをどのように事務職で活かせるのかを企業に合わせて伝えられると、企業に即戦力として採用を検討してもらえる可能性が高まります。

MOS資格よりは難易度が高いので、転職活動開始までに比較的余裕がある場合は、日商PC検定の取得を検討してみることをおすすめします。

【5位】文書情報管理士検定

日本文書情報マネジメント協会

出典:公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会公式HP(https://www.jiima.or.jp/qualification/docinfo_sv/)

文書情報管理士検定とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が主催の検定です。

オフィスで取り扱う紙媒体の文書をPCで見られるようにスキャナで保存したり、大量の書類を安全に効率よく長期保管するための技術や法律の知識があることを証明できます。

文書情報管理士検定を取得するメリット

転職において文書情報管理士検定を取得するメリットは、今後のビジネス社会において、重要な知識を持った人材であるということをアピールできる点です。

現在、様々な企業で社内文書や資料などをペーパーレス化する動きが盛んです。

そのような状況下で、文書や資料を正しく管理し、見やすい状態で効率よくデータ化する必要があり、事務職には文書・データ管理の技術や知識が求められるようになっています。

そこで、文書情報管理士検定を取得していれば、そのような技術や知識があることをアピールでき、「安心して事務作業を任せられる人材」といったプラスの評価を得られる可能性があるのです。

したがって、文書情報管理士についてはパソコンスキルなどの即戦力にはつながらないものの、今後、事務職で求められる知識・技術を持っている点は企業にとって評価ポイントになるでしょう。

文書情報管理士検定でアピールできる具体的なスキル・知識

文書情報管理士では、会社で扱う文書や帳票、図面、伝票などの紙文書をスキャンしてデータ化したり、そうした書類を長期的に安全にデータで保存しておく方法を理解・実践できることを証明できます。

例えば、個人情報に関する確実なデータ管理ができることも文書情報管理士の資格取得で証明することが可能です。

個人情報漏洩が問題になっている昨今、企業にとってはデータ管理能力のある人材に魅力を感じるのは自然なことでしょう。

さらに具体的にアピールできる知識やスキルは以下の通りです。

  • 文書のデータ化に関する知識
  • マイクロ写真(文書や図面を縮小したもの)関連の基礎知識や技能
  • 文書の管理に関する日本の法律や規則についての基礎知識

 上記の内容は、勉強しなければなかなか知る機会がないため、データ管理に関する専門知識がある人材は、現在の流れを考えると重宝されるスキルと言えるでしょう。

文書情報管理士検定の難易度

難易度は2級、1級、上級の3段階に分かれており、級が上がるごとに難しくなります。全体的に見ると、どの級も合格率は比較的高いですが、求められる専門性と実務能力が級によって大きく異なります。

引用元:https://www.jiima.or.jp/wp-content/uploads/pdf/2025w_youkou.pdf

難易度レベル 合格率(目安) 特徴・求められるスキル
2級 入門・基礎レベル 60%〜70%程度 文書情報管理に関する基礎知識や、電子化・マイクロ写真の基本的な実技能力を問う。最初に受験する級。
1級 専門知識・指導レベル 60%程度 2級の知識に加え、より専門的な知識、実技の応用力、作業者への指導力が求められる。
上級 エキスパート・企画レベル 50%〜60%程度 1級の知識に加え、顧客の課題分析能力、システム構築能力、高度な提案能力、最新の知識と技術が求められる、最難関の級。

【6位】ITパスポート試験

IT

公式サイト:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITに関する基礎的な知識を証明する資格です。ITエンジニアのような専門家だけでなく、ITを利用するすべて社会人を対象としており、「ITの基礎知識がある」ことの公的な証明となります。

試験範囲は、AIやビッグデータ、IoTといった最新技術の動向から、経営戦略、マーケティング、財務といった経営全般、さらには情報セキュリティやコンプライアンスといったリスク管理まで多岐にわたります。現代のビジネス環境において、職種を問わず求められるITリテラシーを総合的に学べるのが特徴です。

ITパスポートのメリット

事務職の業務は、今やITと切っても切り離せません。社内システムの利用、セキュリティ対策、データの管理など、あらゆる場面でITの知識が求められます。

ITパスポートを取得していると、これらの業務に対する理解度が高いことをアピールでき、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業からの評価が高まります。

例えば、社内で新しいシステムを導入する際に内容をスムーズに理解できたり、情報セキュリティのリスクを正しく認識して適切な対応ができたりと、業務の質を向上させることができます。

「PCが使える」というレベルから一歩進んで、「ITを正しく理解し、安全に活用できる」人材であることを証明できるため、他の応募者との差別化に繋がります。

ITパスポートの難易度

情報処理技術者試験の中では入門レベル(レベル1)に位置づけられており、国家試験の中では比較的取得しやすい資格です。合格率は約50%で推移しています。

ITに関する予備知識がない初学者でも、100~150時間程度の学習で合格を目指せると言われています。出題範囲は広いですが、一つ一つの内容は基礎的なものが中心です。参考書や過去問題集も豊富にあり、独学でも十分に合格可能な資格です。

【7位】TOEIC

TOEIC

TOEICは、日常生活やグローバルビジネスにおける英語によるコミュニケーション能力を測定するための世界共通のテストです。特に日本の企業では、採用や昇進の基準として広く活用されています。

テストはリスニング(聞く)とリーディング(読む)の2つのセクションで構成され、スコアは990点満点で評価されます。

点数 証明できる英語力
400点未満 基礎力不足、英会話の読み書きやコミュニケーションが難しい、資格としてアピールするのは難しい。
400〜495点 まだ英語の基礎力は不足している。読み書きも正確にはできない。コミュニケーションは限定的ではあるが可能。資格としてアピールするのは難しい。
500〜595点 基礎力はついており、長文理解ができる。読み書きはやや不正確。簡単なコミュニケーションであれば可能。履歴書には書けるが、プラス評価に繋がることは少ない。
600〜695点 長文の聞き取りが細部までは難しいができる。英語で自分の意見を伝えることも可能。読み書きを含めて複雑な英文の理解は難しい。履歴書に書いて評価されるようになる。
700〜795点 細部まで聞き取りができるようになる。自分の意見を伝えたり、複雑な要求にも対応できる。要点をまとめたり、話せる範囲は限定される。十分に企業へアピールできるレベル。
800〜895点 細部まで聞き取れる。意見を伝えたり、複雑な要求に適切に対応できる。ただし、ものごとを説明する力が若干不足している。英語ができ、転職において武器になるレベル。外資系企業でも足切りされないレベル。
900〜990点 細部まで聞き取れる。意見を伝えたり、複雑な要求に適切に対応できる。高度な英語も理解でき、英語で的確に表現することができる。ここまでのレベルに達すると、企業からは魅力的な人材となる。

合否ではなくスコアで英語力が示されるため、現在の自分のレベルを客観的に把握し、目標設定がしやすいのが特徴です。

外資系企業や海外との取引がある企業はもちろん、近年ではインバウンド需要の増加などもあり、幅広い業界で英語力が求められる傾向にあります。

TOEICを持っているメリット

事務職においてTOEICスコアを持っていると、応募できる企業の選択肢が大きく広がります。

特に、英文事務、貿易事務、外資系企業のアシスタントといった職種では、英語力が必須スキルとなるため、一定以上のスコアが応募条件となっている場合が多くあります。

一般的な事務職であっても、海外からの電話やメールに対応できる人材は高く評価され、任される業務の幅も広がります。履歴書に記載する場合、一般的には600点以上がアピールの目安とされ、英語を頻繁に使う職種では700点~800点以上が求められることが多いです。

高いスコアは語学力だけでなく、継続的に努力できる学習意欲の証明にもなり、採用担当者に好印象を与えます。

TOEICの難易度

TOEICは合否がないため難易度を一概には言えませんが、目標スコアによって必要な学習時間は大きく異なります。

例えば、現在のスコアが500点の人が600点を目指すには約250時間、700点を目指すには約500時間の学習が必要というデータもあります。

自分の現在のレベルを把握し、目標スコアに合わせて公式問題集や単語帳、参考書などを活用した計画的な学習が必要です。試験はほぼ毎月実施されているため、挑戦しやすい環境が整っています。

【8位】ビジネス実務マナー検定

公式サイト:https://jitsumu-ginou-kentei.jp/BZ/

ビジネス実務マナー検定は、秘書検定と同じく実務技能検定協会が主催する資格で、ビジネスの現場で要求されるマナーや対人関係、実務処理の知識を測るものです。秘書検定が「上司のサポート役」としての視点を含むのに対し、こちらはより広く「組織人・社会人」としてのコミュニケーション能力や判断力に焦点を当てています。

試験内容は、対人関係の構築、慶弔時のマナー、ビジネス文書の作成、電話応対、プレゼンテーションの基礎知識など、非常に実践的です。3級、2級、1級の3つのレベルがあり、どの級からでも受験が可能です。

ビジネス実務マナー検定のメリット

この資格は、職場での円滑な人間関係を築き、顧客に対して好印象を与えるための実践的なスキルを証明するのに役立ちます。特に、営業事務や総務事務など、社内外の多くの人と連携を取りながら仕事を進める職種において高く評価されます。

例えば、取引先との円滑なコミュニケーションや、社内での適切な報告・連絡・相談といった、業務の土台となるスキルが身についていることのアピールになります。

秘書検定と合わせて取得することで、より強固なビジネスマナーとコミュニケーション能力を持つ人材であることを示すことができます。社会人経験が浅い方や、対人スキルに自信をつけたい方にとって、自身の成長と客観的な評価の両方を得られる有益な資格です。

ビジネス実務マナー検定の難易度

3級、2級の合格率はそれぞれ約70~80%、約50~60%と、秘書検定と同程度の難易度であり、比較的挑戦しやすい資格と言えます。市販のテキストや問題集も充実しており、独学での対策が可能です。

まずは社会人としての基礎知識が問われる3級から始め、実務レベルの対応力が求められる2級を目指すのが一般的です。1級は記述問題が中心となり、合格率も下がるため、より高度なスキルを目指す方向けとなります。

【9位】給与計算実務能力検定

公式サイト:https://jitsumu-up.jp/about/

給与計算実務能力検定は、一般財団法人職業技能振興会が認定する民間資格で、給与計算業務に関する専門知識と実務能力を証明するものです。

この検定では、単なる給与額の計算だけでなく、それに伴う社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険など)や税金(所得税、住民税)の知識が体系的に問われます

労働基準法などの関連法規も学習範囲に含まれており、コンプライアンスを遵守した正確な給与計算を行うためのスキルを習得できます。

試験は2級と1級があり、2級では基本的な給与計算と明細作成能力、1級では年末調整やイレギュラーな給与体系への対応など、より高度な知識が求められます。

給与計算実務能力検定のメリット

給与計算は、どの企業にも必ず存在する重要な業務でありながら、専門性が高いため、誰もができるわけではありません。この資格を持っていることで、人事・労務・経理といった専門分野での即戦力となれることを強力にアピールできます。

一般事務として入社した場合でも、この資格があれば将来的に専門性の高い部署へキャリアチェンジする道も開けます。また、毎月の給与計算だけでなく、年末調整という繁忙期に正確な業務を遂行できる人材は企業にとって非常に貴重です。

正確性が求められる業務への適性や、法改正にも対応できる学習意欲を示すことができ、転職市場での価値を高めることができます。

給与計算実務能力検定の難易度

2級の合格率は70%~80%程度と高く、比較的取得しやすい資格です。実務経験がなくても、公式テキストや対策講座を利用して2~3ヶ月程度学習すれば、十分に合格を狙えます。

1級は合格率が50%前後となり、より実務的な深い知識が求められますが、2級の知識を土台にステップアップが可能です。専門性を持ちたい事務職希望者にとって、コストパフォーマンスの高い資格と言えるでしょう。

【10位】パラリーガル認定資格

パラリーガル認定資格

出典:一般社団法人 日本リーガルアシスタント協会 公式HP(https://houritsujimu.com/)

パラリーガルとは、弁護士の指示・監督のもとで法律事務を行い、弁護士の業務をサポートする専門的な事務職です。パラリーガル認定資格は保有していることよって、法律事務の知識・スキルがあることを証明できます。

パラリーガル認定資格取得のメリット

パラリーガルへの転職においてパラリーガル認定資格を取得するメリットは、即戦力をアピールでき、仕事に対するモチベーションが高いことをアピールできる点です。

パラリーガルは資格がなくてもなれる職種である一方、法律に関する基本的な専門知識が問われるため、どうしても実務経験者が採用されがちです。

そこで、法律を全く学んだことのない未経験者でも、パラリーガル認定資格を取得することによって、法律事務の基礎知識があることを証明できます。

そして採用側は「この業界や法律事務の仕事に対する理解がある」「すぐに仕事に慣れて活躍してくれそう」と即戦力になることを期待して内定を出すことができるのです。

また、パラリーガル業務に特化した資格を取得している点は、その仕事に対する真剣度の高さを示すこともでき、採用側からの心象は間違いなく良いです。

したがって、法律事務の専門職であるパラリーガルという仕事に興味を持っている方は、パラリーガル認定資格の取得を検討してみましょう。

より専門性の高い職種を目指してスキルや知識を高めれば、転職市場において市場価値を高めることができます。

パラリーガル認定資格でアピールの難易度

パラリーガル認定資格は、法律分野での専門知識や実務スキルを客観的に証明できる資格として、法律事務所などへの就職・転職時にアピールしやすい特徴があります。

資格自体の難易度は、初級で合格率90%、中級および上級でも約85%と、講座などでしっかり学習すれば十分に合格が狙えるレベルです。

ただし、独学では効率的な学習が難しく、実務未経験者にとっては基礎知識の習得がやや高いハードルとなります。そのため、資格取得とあわせて具体的な実務知識や応募先で求められるスキルとの関連性をしっかり伝えられることが、他者との差別化には重要です。

資格だけでなく、どの事件に関するどのような知識があり具体的にどのような法律事務処理ができるのか、その実践力をアピールする工夫が必要です。

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事務職への転職に資格取得が有利になる3つの理由

事務職での転職

事務職への転職は、資格取得をすることによって有利になります。

その理由として以下の4点が挙げられます。

・事務職に関する知識やスキルがあることを客観的にアピールできる
・仕事に対するモチベーションの高さをアピールできる
・未経験でも資格を取得すると採用されやすくなる

それでは一つずつ詳しく解説していきます。

資格を持っていることで、事務職に関する知識やスキルがあることを客観的にアピールできる

事務職に関連する資格を保有していれば、業務で活かせる知識やスキルがあることを、客観的にアピールすることができます。

事務職経験者の場合、実務経験に即した資格を取得しておくことで、数字で実績を伝えることができなくても、自身のスキルや知識を裏付けすることができます。

また事務職未経験の場合、事務職に活かせる資格を取得すれば、その職種への適応能力があることを証明できるのです。

事務職への転職では資格の取得は有利に働くと言えるでしょう。

仕事に対するモチベーションの高さをアピールできる

事務職に活かせる資格を取得することで、仕事に対するモチベーションの高さをアピールすることも可能です。

なぜなら資格取得・スキルアップのために仕事以外の時間を使ったという事実によって、そのモチベーションの高さを示すことができるからです。

資格の取得はただ保有しているスキルや知識を証明するだけではなく、自身の仕事に対するモチベーションをアピールできる転職において有効な手段なのです。

資格を取得すると、事務職未経験でも経験を補える

事務職の採用では、過去に実務経験があるかどうかで採用が決まることは多くあります。

しかし、未経験であっても資格を取得することで経験を補うことができ、「未経験者だから」と足切りされることが少なくなるでしょう。

例えば、販売職をしていた人が一般事務職を目指す場合です。

日商簿記の資格を取得すれば、実務経験がなくても「スキルや知識はあるから、すぐに仕事に慣れてくれそう」と評価され、採用の可能性を高めることができるのです。

したがって過去に実務経験がない人こそ、資格を取得することで採用の可能性を高める必要があると言えるでしょう。

【関連記事】事務職は人気だけど転職は厳しい3つの理由と今後必要とされる事務職・なる方法を解説

事務職系の資格にどれを選ぶか迷った際のポイントと注意点

資格を取得することで、事務職への転職を成功させたいと思っている人は多くいるかと思いますが、資格を選ぶには以下の注意点があります。

  • 目指す事務職で活かせない資格は選ばないようにする
  • 社会的認知度の低い資格は避ける

以下の記事では、転職におすすめな事務職やその仕事内容・給料などを解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

転職におすすめな事務職はこの5種類|給料・仕事内容・スキルを完全解説

目指す事務職に活かせない資格は選ばないようにする

闇雲に資格を取得しても目指す事務の職種で活かせなければ、企業に対するアピールにならず意味がありません。

転職において企業は、候補者が「即戦力になれるかどうか」「すぐに仕事に慣れ、活躍してくれそうなポテンシャル、知識、スキルがあるかどうか」を見ています。

そのため資格保有を示すことで、その業務で活躍できるスキルや知識があることを示なければ、採用されることはないのです。

極端な例ではありますが、経理事務の採用の場で医療事務技能審査試験の資格保有をアピールしても、業務上で必要となるメインの知識やスキルを示せていないので何のアピールにもならないのです。

目指す事務の職種を決めたらどんなスキル・知識が求められるのかを知り、自信をアピールするための資格を選ぶようにしましょう。

社会的認知度の低い資格は避ける

社会的認知度が低い資格は、転職を目的にする場合は選択を避けるようにしましょう。

履歴書や職務経歴書で資格保有をアピールしたとしても、知名度が低ければ採用担当者がスルーしてしまう可能性があります。

またわざわざどんな資格か調べてくれるケースは少ないため、資格保有をしていない状況と差がなくなってしまいます。

せっかく勉強して頑張って取得したのにもかかわらず、自身のスキルや知識をアピールできないのは残念ですよね。

転職の武器作りとして資格取得を考えている場合は、社会的認知度の高い資格を取得して、採用担当者へ「御社で活躍できる」ということをアピールできるようにしましょう。

事務職において実務で求められるスキルと資格の優先順位とは

実務においては、資格の保有そのものよりも実務経験が重要視されるケースが多いという前提はありますが、資格は基礎知識の証明や転職時の熱意のアピールに非常に有効です。

事務職(一般事務、営業事務、経理事務を含む)で求められるスキルと資格は、キャリアの段階に応じて優先順位が変わります。

事務職で最も優先されるスキルと資格

事務職のスタートラインに立ち、日々の業務効率を支えるために最も重要視されるのは、基本的なPC操作スキルです。

【最優先】実務必須のPCスキルと証明資格

優先順位 スキル/資格 実務への影響と重要性
1. 基本的なExcel操作 (必須スキル) 求人の約95%で求められる「基本的な操作」であり、事務職のスタートラインです。具体的には、セルの書式設定、四則演算、オートフィル、並び替え、フィルターの使用などが含まれます。
2. MOS資格 (Microsoft Office Specialist) 面接時の「パソコンできます」という自己申告ではなく、最低限の知識があることを客観的に保証します。事務職未経験者にとって「基本的なことが分かっている」「前向きでやる気がある」ことを分かりやすく伝えられるため、採用担当者から最も重視される資格の一つです。

MOS資格は、WordやExcel、PowerPointといった日常業務で必ず利用するオフィスソフトのスキルを問うため、実務のレベルアップに直結します。

キャリアチェンジ・専門事務で重視される資格

経理事務や法務事務など、専門性の高い事務職を目指す場合、会計知識は必須となります。

優先順位 資格 実務への影響とキャリアアップ
1. 日商簿記検定2級 未経験者が経理に転職したい場合に最もおすすめされる資格です。財務諸表の数字から経営内容を把握できる力を証明する。
2. 秘書検定 ビジネスシーンで使われるさまざまな文書の作成能力と、それに付随するビジネス常識を測る。
3 パラリーガル認定資格 法律事務についての知識やスキルの証明

簿記の知識は、経理・財務部門だけでなく、営業などの他部署でも会社の数字を根拠にしたプレゼンテーションを行うために必須の知識として注目を集めています。

実務の効率化と将来性を見据えたスキル

グローバル・AI・自動化が進む時代において、事務職の労働需要は減少するとの見込みもありますので、「+αのスキルアップ」が不可欠とされています。

特に、ITパスポート、TOEIC、パラリーガル認定資格は、従来の事務職の枠を超え、自身の市場価値を高める上で非常に戦略的な組み合わせです。

まず、ITパスポートは、全ての業務の土台となるITリテラシーを公的に証明します。現代の事務職は、単にExcelやWordが使えるだけでなく、情報セキュリティのリスクを理解し、社内システムやネットワークの基礎知識を持つことが求められます。

この資格の学習を通じて、IT部門との連携がスムーズになり、トラブルの一次切り分けや安全なデータ管理が可能になるため、日常業務の効率化と安定運用に直結します。将来的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の基礎知識を持つ人材として、あらゆる業種で不可欠な存在となります。

次に、TOEICは、事務職としての「対応範囲」を飛躍的に広げます。グローバル化が進む中、国内企業であっても海外からの英文メール対応、英文資料の読解、海外支店とのやり取りなどが発生する機会は増加しています。

高いTOEICスコアがあれば、こうした業務を他者に頼ることなく自ら処理でき、業務が格段に効率化します。将来性という点では最も分かりやすく、英文事務や貿易事務、外資系企業のアシスタントなど、より専門性が高く厚遇なポジションへの転職を可能にする強力な武器となります。

最後に、パラリーガル認定資格は、「法務」という高度な専門性を身につけることを意味します。事務職が契約書の管理や簡単なチェック、株主総会や取締役会の議事録作成を担うことは珍しくありません。

この資格で得られる法律知識は、そうした業務の正確性を担保し、コンプライアンス違反という企業リスクを未然に防ぐ効率化に繋がります。将来性としては、一般事務から法務部や総務部の専門職へとステップアップする明確なキャリアパスを描くことができ、AIに代替されにくい高度な専門人材として長期的に活躍する道を開きます。

このように、ITで業務基盤を固め、TOEICで対応範囲を広げ、パラリーガルで専門性を深めるというスキルセットは、事務職としての実務効率化と将来性の両方を最大化する、非常に強力な組み合わせと言えるでしょう。

事務職の資格取得|教育訓練給付制度の利用もおすすめ

教育訓練給付制度とは、以下の給付条件を満たす場合に厚生労働大臣指定の教育訓練(通信講座など)を受ければ、その費用の20%(最大)を「教育訓練給付金」として支給するという制度です。

【教育訓練給付制度を初めて利用する場合】
雇用保険加入期間が満1年以上の方が対象

【教育訓練給付制度を利用するのが2回目以降の場合】
「1.雇用保険加入期間が前回受講開始日より3年以上」
「2.前回の教育訓練給付金の支給決定日から3年以上」
の2点を満たしている方が対象

上記の給付条件に当てはまり、資格取得に伴って通信講座などを受講しようと考えている場合は、こちらの制度の利用を検討してみることをおすすめします。

教育訓練給付制度について詳しく知りたい方はこちら(厚生労働省HP)

まとめ

今回は、事務職への転職でおすすめの資格紹介をメインに解説をしました。改めて、本記事の内容を振り返ってみましょう。

 

 

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