パラリーガルの法律事務実務!「直送」って何だろう?

fax

 

パラリーガルとして法律事務所で勤務していると、
弁護士の先生や先輩から「これ、直送しておいて!」
と頼まれることが多々あります。

 

「直送!?!?何だそれは!?」

そう思うのは当然です。

 

一般の会社から法律事務所に転職された方は、
直送」なんて言葉、聞き慣れないですよね。

 

法律事務所では「直送」をすることは、日常茶飯事です。

 

今回は、この「直送」について一緒に見て参りましょう!

 

 

|「直送」って何だろう?

「直送」は、裁判所を経由せずに相手に直接送ることをいいます。

 

本来、答弁書や準備書面、書証などは、裁判所に2通提出し、
裁判所が、そのうち1通(副本)を相手方に
送達するという方法をとるのが原則です。

 

※参考:パラリーガルの法律事務【「特別送達」って何だろう?】

 

ところが、実際、すべての書類につき
この厳格な「送達」という方法で行うと、
裁判所の事務の負担が増えすぎてしまいます。
どこかの時点でミスがあった場合などには
特に時間がかかりすぎるというデメリットも。

 

そこで、裁判所は、当事者間で書類を直接やり取りし、
裁判所に受領の事実を記載した書面を提出する
という簡略化された方法を促します。

 

この、裁判所を経由しないで
書類を相手方に直接送ることが「直送」です。

 

なお、「直送」には、
郵便を用いる方法FAXを用いる方法があり、
適宜適切な方法を選択します。

 

 

 

|どんな書類が直送できるの?

裁判所と相手方に提出する書類には、
直送できる書類と、裁判所経由で「送達」しなければ
ならない書類があるので、注意しましょう。

 

訴状、取下書、請求の拡張または縮減の記載のある準備書面など、
訴訟に重大な影響を及ぼす内容の書面は直送できません。

 

また、答弁書を直送するときであっても
委任状は直送できませんので注意しましょう。

 

 

 

|「受領書付送信票」を作成しよう!

答弁書や準備書面、書証などの裁判所の正式文書
裁判所と相手方にFAXする場合、
通常のファックス送信票ではなく、
受領書付送信票(直送書)」を作成しなければなりません。

 

郵便で直送する場合も、受領書付送信票を作成します。

 

直送書は、それぞれの事務所ごとに書式が異なるため、
弁護士の先生や先輩に聞いて
事務所ごとに定められた書式に従って作成することになります。

 

かりに事務所に書式が定められていない場合は、
下記の事項を最低限記載しておけば問題ありません。

 

  • 送信先(裁判所の担当部署、相手方の送達場所)
  • 発信者(送達場所、誰の訴訟代理人であるか、弁護士事務所・弁護士名、押印)
  • 事件の概要(事件番号、係属裁判所、担当部署、事件名、当事者名など)
  • 送付資料
  • 受領書欄(裁判所の担当部署とFAX番号、弁護士名とFAX番号、受領者の記名押印欄)

 

※参考:パラリーガルなら知っておきたい「事件番号」のこと

 

 

|クリーンコピーを作成しよう!

FAXで送ると読みにくい文書はなるべく郵送するようにすべきですが、
提出期限との関係で、どうしてもFAXで直送しなければならない場合は、
別途クリーンコピーを作成して弁護士の先生に渡すようにしましょう。

 

※参考:「パラリーガルの法律事務実務!「クリーンコピー」って何だろう?

 

 

AG 法律アカデミーでは、今回の「直送」のように、
法律事務所で法律事務実務を行うにあたって覚えておきたい
法律用語について、初級のエレメンタリー・パラリーガル資格講座
においてしっかりと説明させていただいております。

法律の世界に飛び込む前に少しでも多くの専門用語を覚えて、
スムーズに実務に入ることができるようにしておきましょうね!

 

 

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