【民法の基礎】相続って何だろう?(3)【相続分、遺産分割の種類・方法】
相続についてのコラムも今回で3回目。
若干専門的な話になってしまっていますが、
皆さんご理解いただけているでしょうか?
今回も駆け足で恐縮ですが、
相続分と遺産分割についてサクっと勉強して参りましょう!
|「相続分」について
相続人が複数(共同相続人)いる場合、
それぞれの相続人は、遺産分割までの間、
相続財産の総体(全体)に対して権利を持ちます。
その、相続財産の総体に対して
それぞれの相続人が持っている権利の割合(持分率)
を「相続分」といいます(民法899条)。
「相続分」は、被相続人の意思(遺言[いごん])によって
それぞれの率が定められます(指定相続分、民法902条1項)。
被相続人が特に率を指定していなければ、
民法の規定によって率が決まります(法定相続分、民法900条,901条)。
|「遺産分割」について
「遺産分割」は、相続財産を
共同相続人間で分けることをいいます。
共同相続人全員で暫定的に共有されていていた遺産は、
遺産分割によって最終的な所有権の帰属先が確定します。
|遺産分割の種類
遺産分割には、指定分割と協議分割、2つの方法があります。
指定分割
被相続人の遺言に従って
相続財産を分割する方法です(民法908条)。
遺言による指定があれば、これが優先されます。
ただし、遺産分割協議によって、
被相続人の指定に反する分割がなされる場合もあります。
協議分割
遺言による指定が無い場合や、指定していない部分がある場合は、
相続人全員の協議によって相続財産を分割します。
調停分割・審判分割
相続人全員の協議が整わなかった場合は、
家庭裁判所に調停を申し立てます(家審244条、家事244条,274条1項)。
調停も不成立に終わった場合は、
家庭裁判所の審判によって分割します(民法907条2項)。
|遺産分割の具体的方法
遺産分割の方法としては、現物分割、個別配分、
換価分割、代償分割の4種類があります。
現物分割
相続財産の現物それ自体を分割する方法です。
個別配分
相続財産の現物をそのまま配分する方法です。
換価分割
相続財産の全部または一部を換価し、
その代金を分割する方法です。
代償分割
相続人のうちの誰かが相続財産の現物を取得し、
他の相続人に、代償として、相続分に応じた金銭を払う方法です。
これで遺産分割の基本についてのコラムはおしまいです。
次回に「遺言」、その次に「遺留分」について説明し、
ひとまず相続の基礎についてのコラムをおしまいにしようと思います。
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