法律事務所の面接に適した服装とは?好印象を与える服装やバッグ・ネイル選びの注意点

法律事務所の面接を受ける際に服装選びで迷っていませんか?

  • スーツを着る場合はどんなスーツがよいのか
  • スーツ以外を指定された場合は何を着ればよいのか など

採用されたい気持ちが大きいほど気になるものです。

面接時の服装は第一印象を決める大きな要素です。ときに合否を左右してしまうほど重要なものだと心得て、細かい部分まで意識して選びましょう。

この記事では、法律事務所の面接における服装選びのポイントや注意点について、パラリーガル専門学校のアドバイザーが解説します。

スーツ_インナー

法律事務所の面接で服装が重要な理由

まずは、法律事務所の面接でなぜ服装に気をつける必要があるのか。基本的なことですが重要なことなので、最初に理解しておいてください。

ビジネスマナーのある人物だと思ってもらえる

面接の服装を整えることはビジネスマナーの一部です。ビジネスマナーがあるからといって合格するわけではないですが、ビジネスマナーがなければ問答無用で不採用になる可能性が高いです。

つまり面接時の服装でよい印象を与えることは面接を突破するための最低条件です。

TPOをわきまえた行動を取れることの証になる

面接時の服装でよい印象を与えることができると、「この応募者はTPOをわきまえた行動を取れる人物である」との信頼感や安心感につながります。

とりわけ法律事務所は採用後にさまざまなタイプのクライアントと接したり裁判所へ出向いたりと信用性が求められる業務が多いため、そのときその場に応じたビジネスマンらしい行動を取れる人でなければ務まりません。

面接という重要な場面でさえ服装に気を使えない人は、ほかの場面でもTPOをわきまえた行動が取れない人だと思われてしまうはずです。

「中身で勝負」は大事だが外見の清潔さは大前提

スキルや経験がある方はその点を評価してもらえるため、面接時の服装は関係ないと思えるかもしれません。もちろん見た目の服装よりも中身が重要なのは言うまでもありませんが、だからといって面接時の服装をおろそかにするべきではありません。

実際、採用担当者に話を聞くと「正直なところ見た目で不合格になってしまう人はいる」と言います。

法律事務所には優秀な方が多く応募してくるため、採用されるためにはその方たちとの勝負になります。逆をいえば、しっかりと考えて服装を整えることで、ほかの応募者に差をつけることも可能なのです。

法律事務所の面接はどんな服装で受けるべきか?

ここからは具体的にどんな服装で面接を受けるべきかを解説します。

服装への考え方は代表次第

法律事務所とひとくちに言っても、厳格な雰囲気の事務所からアットホームな事務所までさまざまです。その雰囲気は事務所の代表の考え方が影響しており、面接や採用された後の服装も同様です。

たとえば「銀行員レベルのきちんとした格好が好ましい」と考えている代表がいれば、「風通しのよい事務所を目指しているので服装も堅くなりすぎないほうがよい」と考えている代表もいます。

応募先の事務所がどちらを重視するのか、SNSやネット、事務所の公式サイトなど、得られる情報はできるだけ集めておくのが得策です。

重要なのはきちんとした印象と清潔感

どんなタイプの法律事務所へ応募するにしても、ポイントとなるのは「きちんとした印象」と「清潔感」です。

法律事務所では深刻な悩みを抱えたクライアントと接する機会が多いため、信頼感を得るためにもきちんとした印象を与える必要があります。面接でも「この応募者はクライアントから信頼される人物か?」を見られます。

また清潔感があると「細かいところまで気が使える人物」という印象を与えられます。仕事に対する心構えにも通ずる部分なので清潔感は非常に大切です。

マイナス評価を与えないのはスーツ

事前に指定があれば当然スーツを着用します。指定がない場合でもスーツがおすすめです。実際にも法律事務所ではスーツで面接を受ける方が多い傾向にあります。

スーツ以外も可能の面接にスーツで行ってマイナス評価になることはありません。反対に、採用担当者はスーツが当然だと思っている面接にスーツ以外で行けば、マイナス評価を受けます。

ビジネスシーンに適したシンプルな服装ならOKの場合もある

男性の場合はほとんどの人がスーツで訪問しますが、女性の場合はスーツ以外のオフィスカジュアルで訪問するケースもあります。

一般にオフィスカジュアルというと無地のニットやブラウスにスカートなどのシンプルな服装を指しますが、法律事務所の面接ではこれよりもフォーマルな服装を選ぶほうがよいでしょう。適度なAライン・Iラインのスカートやシンプルなパンツにジャケットをあわせるイメージです。

個性を演出したカジュアルはNG

法律事務所や法曹界を舞台にしたテレビドラマなどの影響か、「個性だから」とカジュアルな服装で受ける人がいないわけではありません。しかし現実にはただの失礼な人だと思われてしまうだけです。ジーンズやTシャツに代表されるカジュアルな普段着は避けましょう。

職種ごとに服装の違いはある?

法律事務所の面接でもどの職種で応募するのかによって違いはあるのでしょうか?

弁護士の場合

弁護士はスーツが基本です。代表や上司にあたる弁護士に対して敬意を表すという意味でもスーツを選ぶのが賢明でしょう。事務所によっては、スーツは弁護士が着てほかのスタッフはオフィスカジュアルという暗黙のルールが存在する場合もあります。

パラリーガルの場合

パラリーガルは、勤務中はオフィスカジュアルのことが多いですが、面接ではスーツが無難です。ただしスーツ以外の指定があれば、ジャケット着用のオフィスカジュアルでも問題ありません。

そのほかの事務スタッフの場合

法律事務所にはパラリーガル以外にも総務や経理、秘書、システム関連などさまざまな職種が働いています。この方たちも基本はスーツが好ましいですが、スーツ以外の指定があればパラリーガルと同じようにジャケット着用し、きちんとした印象の服装を心がけましょう。

面接用のスーツを選ぶ際のポイントと注意事項

スーツの選び方や着用時の注意点などを解説します。頼りがいのある印象を与えるためにも、新卒のリクルートスーツにならないように気をつけてください。

たかが服装でそこまで違いはあるのかと思われるかもしれませんが、細部にこだわる事は法律事務所での働き方にも通じますので、ぜひ参考にしてください。

落ち着きのあるベーシックカラーを選ぶ

スーツ

スーツの色は黒、紺、グレーなどのベーシックカラーを選びます。夏場は黒を避けて紺やグレーを選ぶとさわやかな印象になります。生地は無地が基本ですが、目立たないストライプ程度であれば問題ありません。

しわや毛玉がないかをチェックする

スーツにしわや毛玉があると、それだけでだらしない印象を与えてしまいます。しわがある場合は霧吹きで湿らせてから陰干しすると元の状態に戻ります。

また何回も着たスーツは毛玉ができる場合があり、これも印象がよくありません。特に冬用のウール素材のスーツは毛玉ができやすいので要注意です。できた毛玉は糸切りはさみで丁寧に処理するのが基本ですが、取れない場合はクリーニングに出す際に依頼するとよいでしょう。

ほかにも1度着たスーツは目には見えなくてもほこりが付着しています。着用の都度丁寧にブラッシングを行い、ほこりや汚れを取り除くようにしてください。

サイズが自分に合っていることが大事

スーツを選ぶ際にもっとも重要なのがサイズです。サイズが大きすぎるとしわができてしまいだらしない印象を与えてしまい、逆に小さすぎても不自然な横しわが入り、窮屈そうな印象です。

スーツを新調する場合は店員にサイズ感を見てもらいましょう。手持ちのスーツの場合は体型の変化も踏まえて確認してください。ジャケットのボタンを留めたときに胴の部分に握りこぶし1つが入るゆとりがあるかどうかが適切なサイズ感のひとつの目安です。

スーツのインナーは何を着る?

男性はワイシャツです。ボタンダウンはカジュアルなのでベーシックなタイプを選びます。ワイシャツの色は白以外に薄い水色なども清潔感があってよいでしょう。

スーツ_インナー

女性は白シャツを着るとリクルートスーツに見えるので無地のシンプルなカットソーがおすすめです。ただしお辞儀をしたときに胸元が見えないように鏡の前でよく確認してください。

スカート?それともパンツ?

どちらでも問題ありません。相手にどんな印象を与えたいかによって変えてもよいでしょう。スカートはやわらかい印象を、パンツはフットワークが軽く颯爽とした印象を与えられる効果があります。

ストッキングの伝線が気になるなど実用面からパンツを選んでもよいでしょう。

ネクタイの柄はどんなものがよい?

ネクタイの柄はストライプや小紋柄、ドット柄などのオーソドックスな柄が適しています。チェック柄はややカジュアルな印象なので法律事務所の面接には不向きです。色はブルー系や落ち着いたえんじ色がおすすめです。

スーツ以外を選ぶ際のポイントと注意事項

ここからはスーツ以外を指定された場合の服装の選び方について解説します。

カジュアル

もしスーツ以外を指定された場合|採用側の意図とは?

採用側がスーツ以外を指定するのは、TPOの判断ができるかどうか、職場の雰囲気に合っているかどうかを確認する意図があります。そのためスーツ以外を指定されたからといってどんな服装でもよいわけではありません。

ジャケット着用できちんとした印象を与える

スーツ以外を選ぶ場合でも、ジャケットは着用しましょう。応募職種を問わず、クライアントに会っても恥ずかしくない服をイメージしてください。

スーツ以外可能でもNGな形や素材は多い

形はジージャンタイプやフード付き、素材はジーンズや革、スウェット生地などがNGです。法律事務所に限らず、どの業界の面接でも論外として扱われてしまいます。

面接時の靴とバッグの選び方

採用担当者は服装以外にも靴とバッグもチェックしています。靴とバッグの選び方を見ていきましょう。

ヒール

よく磨いた革靴が基本

男女ともに革靴が基本です。色はベルトとあわせるとすっきりとした印象を与えられます。面接会場を訪れるまでによく歩く場合も多いので、足が痛くて集中できないことのないように歩きやすい靴を選びましょう。

普段履いている靴であればよく磨いておいてください。女性はヒール部分がすれて汚くなっている人が意外と多いので注意が必要です。

バッグはA4サイズが入る機能的なタイプを選ぶ

A4サイズの書類やクリアファイルがすんなり入るサイズを選びます。面接の際はバッグを足元の床に置くケースが多いため自立するタイプがおすすめです。ぱっと見てブランド物と分かるものは派手な印象なので控えたほうがよいでしょう。

避けるべき靴とバッグはこのタイプ

靴は先がとがっているタイプや白いステッチがあしらわれたタイプなどは避け、ストレートチップのシンプルな紐靴を選びます。女性の場合はピンヒールや高すぎるヒールはビジネスに不向きです。てきぱきと動き回れる5cm程度のヒールがよいでしょう。

バッグはショルダータイプやリュックなどのカジュアルなタイプや色柄物は避けてください。

面接時の髪型やメイク・アクセサリー等の注意点

髪型やメイクなどについて気をつけたいポイントを解説します。

顔がよく見えるすっきりとした髪型

清潔感を与えるように、顔がよく見える髪型にしてください。特に前髪とサイドの髪が目にかからないように注意が必要です。お辞儀をした際にサイドや前髪を直すと印象がよくないので、ピンで留める、スプレーで固めるなどしてください。

髪色は黒か自然なブラウンであれば問題ありません。

メイクはナチュラルが基本

メイクは派手な印象にならないよう、ナチュラルメイクを心がけましょう。濃くなりがちなのはチークとマスカラです。いつもより控えめを心がけましょう。

ただしナチュラルすぎてノーメイクだと思われてしまうと逆に失礼にあたります。特に眉は細すぎ、薄すぎには気をつけましょう。やや太めできちんと描いたほうが知的な印象を与えられます。

ネイルは控えめ|もしくくはなしで臨むのが無難

ネイルは何もしないのがベターですが、短く整えてきちんとケアしておきましょう。ベージュや薄いピンクのネイルであれば可能ですが、できればネイルはしないで面接に臨む方が良いでしょう。華美にならない控えめといっても、人によってラインは違いますので、面接時は極力控えることをおすすめします。

アクセサリーはなしが無難だが許容されるものもある

アクセサリーは結婚指輪を除き、何もつけないのが無難です。ただし華奢でシンプルなデザインのネックレスや小ぶりのピアス等(揺れないタイプ)であれば許容される場合があります。

反対にあったほうがよいのは腕時計です。最近はスマホで時間を確認する人も多いでしょうが、特に年配の方などは腕時計をつけていないことをマイナスに評価する場合があります。分かりやすい高級時計やスポーツタイプのものは避け、ベーシックな時計をしていきましょう。

香水や衣服のにおいは要注意

香りは人によって感じ方が大きく異なるため、香水は控えるべきです。面接は狭い部屋で実施されるケースも多いので少しの香りでも敏感に感じてしまう人がいます。

タバコの臭いにも気をつけましょう。特に普段からタバコを吸う場合はスーツに臭いが染みついているケースが多いのでよく消臭しておくこと、面接前にはタバコを吸わないことが大切です。

夏か冬の面接の場合|服装はここに気をつけよう

夏場・冬場に面接を受ける場合は服装選びにも追加で注意すべきポイントがあります。

夏場の服装の注意点

スーツを着用することが多い面接では、夏場は暑さとの闘いになります。夏場の服装ではきちんとした印象と清潔感を両立させるよう意識しましょう。

夏でも長袖シャツがベター

スーツの下に着るワイシャツは面接官によって判断が分かれますが、一般的には長袖シャツの着用がよしとされています。応募要項などに「半袖シャツ可」と書いてあればもちろん半袖でも問題ありません。

クールビズ指定なら従う

「クールビズでお越しください」との指示があれば従ってください。クールビズはスーツのボトムスにノーネクタイ、ノージャケットが基本となります。ポロシャツやチノパンは避けましょう。

汗だくで清潔感をなくさないよう工夫する

夏場に特に気をつけたいのは汗だくで清潔感をなくしてしまうことです。通気性や速乾性に優れた素材を用いたスーツも多数販売されているため、スーツを購入する際に意識してみてもよいでしょう。

また面接会場の近くに行くまではジャケットを着ずに手に持って歩く、はやめに会場に着いて汗がひいてから面接に臨むなどの工夫も有効です。

冬場の服装の注意点

冬場は寒さをしのぎながらも、ビジネスにふさわしい服装を選ぶことが大切です。

防寒具もビジネス仕様でそろえる

冬場の面接は防寒具も含めてビジネス仕様でそろえましょう。上着はスーツに合うトレンチコートやステンカラーコートを選びます。ダッフルコートやダウンジャケットなどはカジュアルなので避けてください。

ウールやカシミア素材のベーシックなタイプならマフラーをしても問題ありません。ただし上着は建物に入る前に脱ぎ、手に持って訪問するのがマナーです。マフラーはバッグに入れてください。

面接で黒のタイツはNG

女性の場合は黒いタイツで足元の冷え対策をしたいかもしれませんが、面接でタイツはNGです。足の冷えが気になるのであればブーツを履いて面接会場近くの駅のロッカーに入れておき履き替えるなどしてもよいでしょう。スカートではなくパンツを選ぶのも方法です。

まとめ

法律事務所の面接における服装は、相手の信頼を得るための前提となるものです。スーツが基本ですが、スーツ以外でもジャケットを着用してきちんとした印象を心がけましょう。

 


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