心理学・こころに関する資格で取得がおすすめのもの5つを比較

心理系の資格には、さまざまな種類があります。以下に、おすすめの心理系の資格を5個ご紹介しますので、ご自身の目的に合わせて取得を検討していただければと思います。

心理学修士・心理学博士 心理学の専門知識を高度に学び、臨床や研究などのキャリアに進むための資格です。臨床心理士:心理学の知識と技術を応用して、臨床診療やカウンセリングを行うための資格です。
スクールカウンセラー 学校内で生徒の心理的な問題に対処するための資格
心理療法士 心理的な問題に対して個別やグループのセラピーを提供するための資格
パラリーガル心理士 法律事務の専門スキルを備えたパラリーガルでありながら、心理学とカウンセリングの知識を有した者
社会福祉士 福祉や社会支援の分野で働くための資格で、心理的な問題にも対応するとも多い

これらは一部の心理系の資格の例ですが、実際にはさらに多くの資格や専門領域が存在します。自分の興味やキャリア目標に合わせて、具体的な資格を選ぶことが大事です。

下記ではそれぞれの資格について解説します。

心理学系でおすすめの資格5選

資格

心理学修士

心理学の修士号であり、心理学の知識と研究方法を高度に学ぶプログラムです。一般的には、2年間のフルタイムの学習が必要で、さまざまな分野の専門化コースや研究プロジェクトが含まれます。

心理学修士の取得条件は、大学やプログラムによって異なりますが、一般的な要件には以下のようなものがあります:

  • 学士号: 心理学修士プログラムに入学するためには、関連する分野の学士号を取得していることが必要です。心理学以外の学位を持っている場合でも、関連するコースを履修していれば受け入れられることもあります。
  • GPA(学業成績平均点数): 大学の成績が一定水準以上であることが要求されることがあります。
  • 志望動機や推薦状: 大学やプログラムによっては、志望動機のエッセイや推薦状を提出する必要がある場合もあります。

心理学修士のメリット

心理学修士を取得することには、以下のようなメリットがあります:

  1. 専門知識の獲得:心理学修士プログラムでは、心理学の幅広い領域について深く学びます。臨床心理学、認知心理学、社会心理学など、専門的な知識を習得することができます
  2. 研究スキルの開発:修士課程では、研究方法や統計分析などのスキルを磨く機会が与えられます。これにより、研究プロジェクトの実施やデータ解析が可能になります。
  3. 職業の選択肢の拡大:心理学修士は、臨床心理士やカウンセラーとしてのキャリアを追求するための資格です。また、研究機関や教育機関での職に就く機会もあります。
  4. 博士課程への進学:心理学修士は、博士課程への進学資格としても認められることがあります。博士号を取得することで、より高度な研究や教育の道が開けます。

心理学修士の取得は、心理学の専門知識を深め、キャリアの幅を広げるための重要なステップです。具体的なプログラムや大学の要件を確認し、自分の目標に合った修士プログラムを選ぶことが重要です。

スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、学校内で生徒の心理的な問題に対処し、サポートを提供する専門職です。彼らは生徒の個別カウンセリング、グループセラピー、学習支援、行動管理、学校内の危機対応などを担当します。

スクールカウンセラーになるためお「公認心理士」「臨床心理士」「精神科医」には、資格の取得が必要で、資格試験を受けるための受験資格は資格によって異なります。

公認心理士は国家資格で、大学・大学院で必要科目を履修する、大学で履修後一定期間の実務経験を積むなどの条件を満たせば試験を受験できます。

臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が指定している大学院の修士課程、あるいは専門職大学院の修了が必要で、精神科医は大学で医学を6年間学び、医師国家試験に合格する必要があります。

スクールカウンセラーになるメリット

  1. 生徒の支援: スクールカウンセラーは、生徒の心理的な問題や困難に対して支援を提供する役割を果たします。生徒の個別ニーズに合わせたカウンセリングやアドバイスを通じて、学習や発達に対するサポートを提供
  2. 教育環境の向上: スクールカウンセラーは、学校全体の教育環境の向上にも貢献します。生徒の行動管理や対人関係の支援、学習困難への対応などに取り組むことで、学校全体の健康な発展を促進
  3. 多様なキャリアオプション: スクールカウンセラーとしての資格を持つと、公立学校や私立学校での雇用だけでなく、教育機関やコミュニティセンター、カウンセリングセンターなどでの職にも就くことができる

心理療法士

心理的な問題や困難を抱える人々に対して、個別またはグループセラピーを提供する専門家です。クライエントとの信頼関係を構築し、クライエントが健康で幸福な生活を送るための自己理解や問題解決スキルを開発する支援を行います。

心理療法士は、さまざまなアプローチやテクニックを使用して、クライエントの心理的な成長や変容を促進します。

心理療法士になるためには、日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格する必要があります。臨床心理士試験を受験するには、指定大学院または専門職大学院を修了するルートが一般的です。

〈1〉
・指定大学院(1種、2種)を修了し、次の必要な年数の心理臨床経験*を積んだ者
・第1種指定大学院の場合 … 不要
・第2種指定大学院の場合 … 1年以上の心理臨床経験
・*心理臨床経験…教育相談機関、病院等の医療施設、心理相談機関等で心理臨床に関する従業者(心理相談員、カウンセラー等)としての勤務経験。無給のボランティアや研修員等は対象外

〈2〉
・専門職大学院において、臨床心理学またはそれに準ずる心理臨床に関する分野を専攻する専門職学位課程を修了した者

心理療法士のメリット

  1. 依頼人の支援: 心理療法士は、相談者が抱える心理的な問題や困難に対してサポートを提供します。相談者の自己理解を促進し、健康な心理的な状態や幸福な生活をサポートする役割を果たす
  2. カウンセリングスキルの開発: 心理療法士の訓練は、コミュニケーションスキルや問題解決スキル、カウンセリング技法などの開発に焦点を当てます。これらのスキルは、他の人々との対話や関係構築においても役立つ
  3. 職業の選択肢の拡大: 心理療法士としての資格は、私立カウンセリングセンターやメンタルヘルスクリニック、学校、大学、企業、社会福祉機関などでの就職機会を創出

パラリーガル心理士

「パラリーガル心理士」という資格は2023年にAG法律アカデミーが作った資格で、パラリーガル(法務補助員)と心理学の知識を組み合わせた役割や職業を指します。

パラリーガルとは

パラリーガル(法務補助員)は、法律事務所や法務部門で弁護士や法律専門家をサポートする専門職です。法的な調査や文書作成、法的手続きの準備、クライアントとのコミュニケーション、証拠の収集など、幅広い業務を担当します。

心理学の知識を持つパラリーガル

心理学の知識を持つパラリーガルは、心理学的な観点から法的問題やケースを分析し、関連する情報や証拠を収集する役割を果たすことがあります。彼らは、心理学的な専門知識を活用して、クライアントや証人の心理状態や信頼性を評価することができます。

また、心理学の理論や原則を適用して、クライアントの心理的な健康や行動に関する情報を提供することもあります。

  • 具体的な職業や役割
  • 法的心理学者: 法廷で証言する際に心理学的な専門知識を提供する役割
  • 法務心理学コンサルタント: 法律事務所や企業に対して心理学的な助言やコンサルティング
  • 被害者支援カウンセラー: 犯罪被害者や虐待の被害者に対して心理的な支援やカウンセリングを提供

心理学と法律を組み合わせた職業に興味がある場合は、地域の要件や関連する組織での役割を理解し、詳細を把握することが重要です。詳しくは『こちら』をご覧ください。

関連記事:パラルーガル心理士認定講座

社会福祉士

社会福祉士は、社会的な問題や困難を抱える人々やコミュニティに対して、支援やアドバイスを提供し、社会的な福祉を促進する専門家です。

個人や家族、コミュニティなどの福祉を向上させるためのサポートを提供します。困難な状況にある人々や社会的弱者、高齢者、障がい者、虐待や家庭内暴力の被害者などに対して、アドバイス、カウンセリング、リソースの提供、ケース管理などのサービスを提供します。

社会福祉士になるためには、国家試験に合格しなければ社会福祉士にはなれません。国家試験は年に1回(例年2月)に実施されます。

国家試験は受験資格が必要で、取得ルートは経歴によって様々です。例として、既に4年制大学を卒業している方の場合では、社会福祉士の専門学校などの一般養成施設に1年以上通うことで受験資格を得られます。

その上で国家試験に合格し、登録申請を行い、登録簿へ登録されて初めて社会福祉士として働くことができます。

社会福祉士としての資格を持つことのメリット

  1. 社会的な影響力: 社会福祉士は、人々やコミュニティの福祉を向上させるために働きます。彼らの活動は、社会的な変革やポジティブな影響をもたらす可能性
  2. 職業の多様性: 社会福祉士としての資格は、福祉機関、保健福祉センター、高齢者施設、障がい者支援機関、児童養護施設など、さまざまな職場での就職機会を提供
  3. 個人や家族への支援: 社会福祉士は、個人や家族のニーズを評価し、適切なサービスやリソースを提供することで、彼らの生活の質を向上させる役割

心理系の資格の取得がおすすめな人はは?

心理学に興味がある人

人間の心や行動に関心を持ち、心理学の理論や実践について学びたいと思っている人には、心理系の資格が適しています。心理学の知識を深めることで、人々の心理的な健康や行動の理解が深まります。

心理的な支援やカウンセリングに関心がある人

心理系の資格は、心理的な支援やカウンセリングのスキルを習得するための基盤となります。人々の心理的な問題や困難に対して支援を提供したいと思っている人にとって、心理系の資格は役立つでしょう。

教育や人事などの分野で活躍したい人

心理学は教育や人事管理などの分野でも重要な役割を果たします。心理系の資格を持つことで、教育現場や企業での人材管理や労働環境の向上に貢献することができます。

研究やアカデミックなキャリアを追求したい人

心理系の資格は、研究やアカデミックなキャリアを追求する人にも適しています。心理学の分野での研究や教育に携わりたいと思っている人は、心理系の資格を取得することで専門知識を深めることができます。

まとめ

今回は心理学・こころの問題に関連した資格についてご紹介しました。あらゆる現場でストレスによってメンタルヘルスの健康を害する人が増えており、こうした資格を持つ人材のニーズは高まっています。

仕事を始めると、誰にでもこころの不調は起こりえます。こうした資格に取り組んでおいて損はないでしょう。興味を持てる資格を見つけて、トライしてみてはいかがでしょうか。


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